皆さん、数学の日があることをご存じですか?「3月14日」、この日はホワイトデーであるだけでなく、ユネスコが正式に制定した「国際数学デー」でもあるのです。円周率である「3.14」に由来し、世界各国の博物館や学校では円周率に関するイベントが行われます。
また、この日に結婚するカップルや、赤ちゃんにπ(パイ)と名づける親もいます。海外では、3月14日の午後1時59分(3.14159)に円周率が書かれたボードをもってパレードする所もあります。円周率の小数点以降は延々と続いていくので、どこまで暗記できるかと世界記録に挑戦する人もいます。
中国南北朝時代の祖沖之(そ ちゅうし)という人が、円周率を3.1415926〜3.1415927の間であると精確に推算しました。
祖沖之は数学者の他に天文学者でもあります。彼が編纂した『大明歴』に記載された太陽年は、現在の科学が測定したものと僅か1秒の差しかありません。
現在は衛星や天体望遠鏡、コンピューターなど先進の科学技術を用いてビッグデータの計算ができますが、4千年も昔を生きていた祖沖之は、一体どのようにしてこれほどまでに正確なデータを推算したのでしょうか?
後に分かったことですが、昔の人々は一つの分野だけでなく、関係するいくつもの分野に精通していたのです。例えば、数学者は数学だけでなく、天文や暦法、天体などの領域にも通じていたのです。
唐の時代に李淳風という人がいて、彼は数学者でありながら、天体にも詳しかったといいます。『新唐書・李淳風伝』の記載によると、ある時期、金星が何度も昼間に観測されたため、李淳風は女帝が現れると推測しました。
当時の皇帝・太宗にこのことを報告したところ、皇帝は「怪しい人物をすべて殺したらどうか?」と提案しましたが、李淳風は「運命は逆らうことのできないものです。定められた人は死なずに、かえって罪のない人々が命を失うことになるでしょう。善の心を持てば、被害を最小限に留められるかもしれません」と進言しました。これを聞いた太宗は人力でどうにかすることを諦め、天に任せることにしたのです。案の定、後に中国史上唯一の女帝・武則天が現れました。
中国の数学は占術の『易経』とも関連していると考える学者もいます。数字は天文、地理、風水、算命学と深くつながっているとし、例えば、その人が生まれた正確な時間を知ることができれば、その人の大体の運命を推算できます。また、一人の人間の運命だけでなく、風水的に良い土地や亡霊が集まる場所などはもちろん、王朝の移り変わりや自然災害をも推算できるのです。
したがって人々は、数学は自然界と一定の繋がりを持ち、その背後に深い意味が隠されていると認識しています。明・清王朝の皇帝の居所である紫禁城の門に使われている釘の数は9つと決まっています。なぜ9つなのでしょうか?中国文化における奇数は陽、偶数は陰を意味しており、9は奇数で単数の中の最大の数であるため、陽の極という意味で、皇帝の至尊の地位を象徴しているからです。
現代科学の発展により、人々はますます機械に頼るようになりました。しかし、世の中には一連の大きな数字を見ただけで瞬時に計算できる人がいます。この人たちの暗算スピードはコンピューターよりも早く、しかも正確です。日常生活において、大きな数字を扱うことはめったにありません。では、なぜ暗算を練習するのでしょうか。多くの保護者によると、暗算を練習することで、子どもの脳を鍛えることができ、無限の能力を引き出せるといいます。
(翻訳編集:華山律)
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