朝、窓を開けて朝を迎えると、窓辺の小さな木の葉はまだ水滴に覆われています。ありふれた生活の中で、朝露に出会うのは久しぶりでしょう。小さな庭には小鳥がさえずり、草花が咲き乱れ、気分もよりリラックスできます。
「一年の計は春にあり、一日の計は晨にあり」。古人の言葉は、確かにその通りで、朝は心が最も澄み、学習能力や集中力が高まる時間帯です。
親や先生から「早起きは三文の得」と教わった記憶がありますが、人生経験を経て、それが本当であることを確信しました。早起きは健康にいいだけでなく、起床後の2時間には何をやっても事半功倍(じはんこうばい)、つまり、労力は半分で効果は倍であるので、多くの成功者が早起きを自らに課しているのです。この黄金の2時間を有効に使えば、人生はもっと彩り豊かなものになると実感しました。
成功する有名人の多くは「早起き」である
有名人には早起きの人が多く、彼らは朝の時間を大切にしています。世界的に有名な電気理論の発明者であるベンジャミン・フランクリンは、「朝の一瞬は千金の価値がある」という名言を残しています。
他にも有名人がいます。例えば:
テスラの創業者イーロン・マスク氏(Elon Musk)は、朝7時に起床。
ヴァージン・グループの前会長、リチャード・ブランソン氏(Richard Branson)は5時半に起床。
Linkedlnの元CEOであるジェフ・ウィーナー氏(Jeff Weiner)は、5時半に起床。
アメリカのトーク番組司会者、オプラ・ウィンフリー氏(Oprah Winfrey)は、朝7時に起床。
早寝早起きは体にいいし、夜に十分な睡眠をとれば、翌朝起きてから2時間以内に脳は最もクリアでクリエイティブな状態になるので、何をするにしても、気楽にできるのです。
早起きのメリットは他にもたくさんあります。
◎早起きしてキレイになる
昔は、5時に起きるという意味の「五時啓蟄」という言葉がありました。それは冬の間休眠していた動物たちが、この節気に目を覚ますということです。
古代、農耕の指針として1年を二十四節気に分けており、1日の24時間はまさにそれの縮図なのです。人間の時間でいうと、小寒が午前1時、大寒が午前2時、立春が午前3時、雨水が午前4時、啓蟄が午前5時、春分が午前6時、清明が午前7時……。人間にとっての啓蟄は朝5時で、陽の気が上昇して一日が始まるのです。
人間は、日の出とともに働き、日の入りとともに休むものです。早寝早起きは、目の下にクマがなく、すっきりとした印象で魅力的になるための良い方法です。つまり、同じく8時間の睡眠でも早寝早起きの人は元気いっぱいで、昼間に寝て夜更かしする人は起床時に怠けがちで、寝る時間が遅くなるほどだるくなります。
◎心身の健康促進
朝の時間を利用して運動する人は多く、ランニング、ウォーキング、水泳などで体を動かし、脳を活性化させ、代謝を高めるだけでなく、集中力を高めることもできます。アメリカのフレッドハッチンソン癌研究センターは、週に5日、朝に45分間運動するだけで、夜の睡眠の質が70%改善されることを発見しました。
夜明けはまだうす暗く、車や人の騒音もなく、平和で静かな時間です。早起きしてこそ、この静かな時間を楽しみ、今日したいことを考えて、両親や家族と一緒に素敵な朝食をとり、絆を深め、リラックスすることができるのです。
早起きには、朝の通勤・通学時の煩わしい渋滞を回避できるなどのメリットもあります。2時間早起きすることで昼間の時間が多くなったように感じ、時間に急かされることなく、落ち着いた気持ちで学業や仕事にチャレンジできるのです。
また早起きする人は精神的に健康であることが、英エクセター大学の研究で明らかになりました。この研究では、被験者を「早起き」と「夜更かし」の2つのグループに分けましたが、前者の方が体内時計が安定し、幸福感が高く、うつ状態が少ないことがわかりました。
◎成功の要素をトレーニングする
毎日早起きしている人は自己管理能力に優れています。朝早く起きるのは簡単そうに見えますが、長期的に続けるのは容易ではありません。
脳科学の研究によると、脳は朝起きてから2時間後に最もよく働くといいます。規律正しい人は語学でも職業スキルでも、早朝を自習に充て、1日1時間しか使わなくても、1年で365時間になるので、これがやがて大きな進歩につながるのです。
ドイツのハイデルベルク大学が行った調査に回答した1231人のサンプルでは、早起きの習慣がある人は真剣に仕事をし、効率がよく、進捗に遅れがでることが少なく、自己管理能力が高いという結果が出ています。
哲学者アリストテレスの有名な言葉に「夜明け前に起きるのは良いことだ。そのような習慣は健康、富、知恵につながるからだ」というのがあります。早起きの2時間の価値を大切にして、有効に活用すると思いがけない収穫があるかもしれません。
さあ! 今日から行動派になって「五時啓蟄」を目指し、まずは明日の朝から30分早起きを始めてみませんか?
(翻訳者・春野瑠璃)
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