「歩くことは健康に良い」は、すでに多くの研究で実証されています。
しかし、ただ歩くだけで、人が必要とする運動量は十分なのでしょうか。
「よく歩く」で得られる5つの利点
ハーバード医学院(ハーバード大学メディカルスクール)によると、「歩くことには、意外な5つの利点がある」と言います。
その「5つの利点」とは、以下の通りです。
1、体重増加を抑制する
歩くことで、体重を増加させる遺伝子(weight-promoting genes)の働きを打ち消すことができます。
1万2000人を超える被験者の体重増加遺伝子を調査したところ、「1日に1時間、早足で歩く人は、体重増加遺伝子の影響が半減する」ということをハーバード大学の研究者が発見しています。
2、「甘いものへの欲求」を制限
歩くことで「あらゆる種類の甘いものが食べたくなる欲求」を減らすことができます。これは、ダイエットにも役立ちます。
チョコレートを例にすると、15分歩くことにより「チョコレートを食べたい欲求」が抑えられる上、ストレスに負けて食べたチョコレートの量も減らすことができるという研究結果が、英エクセター大学によって出されています。
3、膝関節を強化する
ウォーキングは、基本的な運動ですが、週に5~6マイル(8~9.6キロ)歩くだけでも、膝関節に関連する痛みを予防および軽減することができます。
歩くことで関節を滑らかにし、関節を支える周囲の筋肉を強化することができます。それによって足の関節、特に痛みが起こりやすい膝や股関節を保護できるのです。
4、免疫力を高める
生活の中でたくさん歩くことは、免疫力を高めることにもつながります。
1000人以上の男女を対象にした研究によると、1日20分以上、週に5日以上ウォーキングしている人は、週に1回以下の人に比べて、「病気を理由とする欠勤・欠席」の日数が43%少なかったと言います。
これは、「よく歩く人は、病気になりにくい」と理解してよい結果ではないでしょうか。こうした人は、総じて病気が治るまでの期間が短く、症状も軽くて済みます。
5、乳がんリスクの軽減
よく歩くことは、女性が乳がんになるリスクを減らすのにも役立ちます。
米国がん学会(American Association for Cancer Association)のウォーキングに関する研究によると、歩く時間が週7時間以上の女性は、週3時間未満である女性に比べて、乳がんになるリスクが14%低いことが分かりました。
体重過多の女性や、女性ホルモンの一種であるエストロゲンを服用している女性など、乳がんリスクが高い女性でも、よく歩く習慣をもつことで乳がん予防の効果が得られます。
(次稿に続く)
(翻訳編集・鳥飼聡)
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