家庭内の汚染物質は屋外の2〜5倍も濃縮され、人々の健康状態に影響を及ぼしています。 (Shutterstock)

家庭環境が健康に影響を与える その4つの重要な要素 

近年、デジタル技術の発展と新型コロナウイルスの影響により、人々はリモートで働き、室内で過ごすことが多くなっています。米国環境保護庁(EPA)の調べによると、平均的なアメリカ人は90%の時間を室内で過ごしているそうです。

家庭内の汚染物質の濃度は、屋外の2〜5倍にもなり、健康状態に影響を与えるので注意が必要です。家庭環境には、住宅所有者が特に気をつけるべき点がいくつかあります。

1.アレルゲン

アレルギーは、室内で引き起こされることもあります。ペットの毛やホコリの他、カビの胞子もアレルギー反応を引き起こし、喘息など一部の病気を悪化させることがあります。 

水に濡れた内装材からカビが生えることがあります。有毒なカビに長期間さらされると、不眠症、記憶力の低下、集中力の低下などを引き起こす可能性があります。

家の中のカビを取り除くには、パイプや排水溝の水漏れや、湿気が多い場所をチェックし、修理したり、乾燥させたりします。

ほこりを減らすには、カーペットをフローリングに替えたり、カーペットが必要な場所には小さく洗えるラグを敷いたり、取り替えやすいカーテンを使用します。また、ほこりがたまりやすい場所を掃除したり、小さなほこりをろ過するエアフィルターを使用すると良いでしょう。

また、寝室にはペットを入れないようにしましょう。さらに、アレルギー対応のマットレスや枕カバーを使用することも、有意義なアレルギー対策といえます。

2.空気環境

家の中の空気の質は、健康にも影響します。 

暖房、空調、配管、家庭用電化製品の性能が低い場合、室内の空気に一酸化炭素、鉛、浮遊菌(空気中の細菌)が過剰に含まれていないかどうか調べることが重要です。

適切な換気ダクトがないのに、室内でガソリン、木材、プロパン、炭などを燃やした場合、空気中の一酸化炭素濃度が高くなり、深刻な健康被害、さらには致命的な健康被害につながる可能性もあるのです。

また、1920年から1978年の間に建てられた家であれば、壁の断熱材がアスベストであるかどうかを調査することをお勧めします。

アスベストを大量に浴びると、がんや肺疾患のリスクが高まります。また1978年以降に建てられた家であれば、塗料の鉛含有量を検査することです。鉛中毒は広く蔓延しており、現在では毎年数十万人の子供が罹患しています。 

家族に心配な症状がみられた場合は、できるだけ早く医師に相談してください。

3.明るさ、清潔感

肌や体にビタミンDを吸収させるには、自然光が最適なので、一日中、自然光を十分に浴びるようにしましょう。 

ビタミンDは、骨を丈夫にし、心臓病や脳卒中のリスクを減らし、がん細胞の増殖を抑制する働きがあります。家庭内の自然光は、体内のメラトニンの生成と密接な関係があります。

十分な自然光は、昼と夜のリズムをより良く感じさせ、睡眠サイクルを昼と夜のサイクルに一致させ、集中力、生産性、ポジティブな感情、全体的な幸福感の向上に役立ちます。家の壁を明るい色に塗ったり、鏡をいくつか取り付けたりすると、光が跳ね返って部屋が明るくなります。

また、家の中がどれだけ片付いているかも、気分や精神状態に影響を与えるポイントです。 

仕事が終わって家に足を踏み入れると、家の中が散らかっていて、片付けなければならないことが山積みになっているのは不安なものです。

きれいに整頓された空間は、見た目だけでなく、心理的にも気持ちのいいものです。 

4.住宅事情

質の悪い住宅は、慢性疾患や精神的な健康状態の悪化など、しばしば健康状態の悪化につながることがあります。もし、住宅の質が本当に悪いのであれば、引っ越しを検討するべきだと思います。 

経済状態が悪い人は、融資条件がそれほど厳しくない連邦住宅局が支援する住宅ローンを組むこともできます。

どうしても家計が苦しい場合は、手頃な価格の住宅を探して経済的負担を軽減し、将来、より健康で安全な住まいを探すこともできます。

住まいの状況に関わらず、住環境は心の健康や生活の質に大きな影響を与えることを認識することが重要です。住まいは、ストレスや憂鬱を感じさせず、幸福をもたらすものであるべきでしょう。 

もし、このようなネガティブな感情を抱くことが多いのであれば、幸福度を高めるために住まいを改善する必要があるのかもしれません。

著者について:

ニシャ・ジャクソンさんは、ホルモンと機能性医学の専門家としてアメリカで認められており、著名な講師であり、モチベーションスピーカー、ラジオ司会者、コラムニスト、ベストセラー『Brilliant Burnout』の著者であり、オレゴン州のワンピークメディカルセンター(OnePeak Medical Center)の創設者です。

30年にわたり、彼女の医学的アプローチは、多くの人々の疲労、ブレインフォグ(脳に霧がかかったような状態)、うつ、不眠、スタミナ不足などの慢性的な問題を見事に回復させました。

この記事はワンピークメディカルセンターのブログに掲載されたものを、エポックタイムズが許可を得て転載したものです。

(翻訳・里見雨禾)

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