米ニューヨークの国連本部を通過する人々=2018年9月26日(John Moore/Getty Images)

「事務総長が介入」 国連、疑惑調査の裁判長を解任 中国に反体制派名簿提供めぐり

 

国連紛争裁判所(UNDT)の裁判長、オーストラリア出身のローワン・ダウニング氏(69)は、国連が中国当局に反体制派の名簿を提供していたという内部告発を受理した後に解任された。同氏は解任は「司法の独立性への攻撃」「クーデター」と非難した。

21日付の豪紙シドニー・モーニング・ヘラルド(SMH)によると、UNDTの前裁判長で元国際戦犯裁判官のダウニング氏は当時、国連の人権担当官だったエマ・ライリー氏(43)の内部告発に対して調査を実施していた。 ライリー氏は、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は、国連人権理事会で発言する予定のウイグル人を含む反体制者の名簿を中国政府に提供したと告発した。

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22日開催の第49回国連人権理事会(UNHRC)のサイドイベントでは、中国の強制臓器摘出の阻止について議論する予定。