寝る姿勢が脳の健康に重要な役割を果たし、認知症のリスクを低減するという研究結果が発表されました。 (Shutterstock)

認知症リスクを軽減する正しい寝姿勢とは?  横向きで寝ると脳の老廃物が排出

老年期の認知症は、現代社会で多くの人が話題にしている病気です。人は若いうちから認知症にならないよう、できることは何でもしておこうと思うもの。

今回、横向きで寝ることが認知症のリスクを減らすことにつながるという新しい研究結果が発表されました。

横向きで寝ると認知症リスクが低下する可能性がある

健康的な食事や定期的な運動に加えて、寝る姿勢も脳の健康に重要な役割を果たすことがわかりました。

ストーニーブルック大学(米国)の研究によると、横向きで寝ると、日中に溜まった老廃物を排出することができ、脳の健康に役立つため、脳の神経変性を伴うパーキンソン病やアルツハイマー病のリスクを低減することがわかりました。

これまでも科学者たちは、横向きに寝ることが背骨にとって最も良い姿勢であり、胃酸の逆流などの健康障害を防ぐことができることを知っていました。仰向けで寝るのは最悪の寝姿勢で、筋肉や関節に負担がかかりやすく、背中や首のコリなどさまざまな不調を引き起こしがちです。

ストーニーブルック大学医学部麻酔科・放射線科のヘレン・ベンベニステ教授は、「人間も動物も横向きの姿勢で寝るのが一般的なのには理由がありそうだ」と述べました。近年、レム睡眠が脳内の老廃物を除去する重要な役割を担っているという学説があり、今回の研究はこの考えをさらに裏付けるものとなっています。

認知症には多くの種類がありますが、いずれも不眠などの睡眠障害と関連があります。睡眠の問題は、記憶喪失やアルツハイマー病などの疾患と関連している可能性が高いという証拠が増えています。

(翻訳・井田千景)

関連記事
スタンフォード大学の研究者が開発した新技術により、皮膚を一時的に透明にして内部の臓器を安全に観察できるようになりました。食品用染料を使った革新的な方法が、医療診断に新たな可能性をもたらすかもしれません。
ひまし油は古くからさまざまな健康トラブルに使用されてきました。現代でも、自然療法士やホリスティックケアの専門家が、ひまし油パックを活用して免疫サポートや便秘解消、ストレス軽減など、多くの効果を得るためのサポートを行っています。
新たな研究で、子どもが使用するスキンケア製品がホルモンバランスを崩す化学物質を含む可能性が指摘されました。子どもの健康リスクを減らすため、製品選びのポイントをご紹介します。
ミラノといえば高級ブランドが思い浮かぶかもしれませんが、実はそれだけではありません。24時間で楽しめる歴史的な名所や自然、美術館など、さまざまな魅力が詰まった都市です。
アメリカで依然としてエリス変異株が主流である中、科学者たちは新たなCOVID-19変異株「ピロラ」(BA.2.86)に注目しています。ピロラは多くの変異を持ち、免疫回避の可能性が指摘されていますが、感染力は低い可能性もあります。現在のワクチンや治療法が効果を持つことが期待され、今後の監視が続けられます。