日照時間が短い冬場は、気分が落ち込んだり、今まで楽しんでいたことに興味が持てなくなる人もいるでしょう。 最近の研究で、コーヒーを飲むとこのうつ状態が緩和されることがわかりました。
英国、イタリア、フィンランド、ドイツ、ポーランドの成人5千人を対象に、コーヒー科学情報研究所が資金提供した調査によると、日照時間が短くなると、21%が「不安になった」、24%が「集中力が低下した」、25%が「運動意欲が低下した」、21%が「運動能力の低下を感じた」と回答していることがわかりました。
季節によって気分や行動が大きく変化する場合、季節性情動障害(SAD)、または冬季うつ病の可能性があります。この病気は通常、晩秋から初冬にかけて始まり、春と夏には治まったり、なくなったりします。 米国国立精神衛生研究所によると、季節性情動障害はうつ病の一種で、不安感、集中力の低下、眠気などの症状が現れるとされています。
日照時間が短い日にコーヒーを飲む習慣を分析したところ、5人に1人が「気分を良くするために飲む」、29%が「元気を出すために飲む」、20%が「気分を良くするために飲む」、21%が「注意力や集中力を高めるために飲む」と答えました。
イタリア・カターニア大学のジュゼッペ・グロッソ助教授は、「コーヒーポリフェノールが血液脳関門を通過して抗炎症作用を発揮し、さらには神経組織の成長・発達を促進し、認知・感情障害のリスクを低減することが証明されています」と述べています。
4時間ごとに75mgのカフェイン(コーヒー1杯分)を摂取すると、1日を通して一貫して気分が向上するという分析結果が出ています。
さらに、コーヒーの香りでもワーキングメモリー(複雑な認知作業を行うために必要な情報を一時的に保存・管理するために使われる短期記憶の一部)を高め、覚醒度を刺激することが分かっています。
米国国立精神衛生研究所によると、何百万人ものアメリカ人成人が季節性情動障害(SAD)である可能性がありますが、その多くは自覚していません。 多くの場合、SADは若い成人期に始まります。
米国国立精神衛生研究所が発表したSADの治療法には、光線療法、心理療法、抗うつ剤治療、ビタミンD補充療法などがあります。
(翻訳・井田千景)
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