米司法省のロゴ(Samuel Corum/Getty Images)

米農業大手の中国籍科学者、経済スパイ活動認める 「千人計画」に参加

米司法省は6日、米農業大手モンサント社の元中国人科学者が、中国政府のために経済スパイ活動を共謀したことを認めたと発表した。同科学者は中国の海外人材招致計画「千人計画」に選ばれた一人である。

米ミズーリ州チェスターフィールドに住んでいた中国籍の向海濤被告(Haitao Xiang、44歳、音訳)は、2008年にイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校で博士号を取得し、同年モンサント社に入社。デジタル農業、⼟壌肥料や養分管理研究を担当し、3件の⽶国特許を取得した。17年に「千⼈計画」の⼀⼈に選ばれた⾼度な技術を持つ研究者である。

裁判資料によると、向被告は2008~17年まで、モンサント社と子会社のクライメート社に科学者として勤務していた。2社は農家の農業生産性を向上・改善するために使用するデジタル・オンライン農業ソフトウェア・プラットフォームを開発した。このプラットフォームの重要な技術はNutrient Optimizerと呼ばれる独自の予測アルゴリズムだった。同被告はこの技術を盗もうとした。

▶ 続きを読む
関連記事
カナダ初の「外国影響力登録制度」が施行された。外国政府などを代表して政策決定や政治活動に影響を及ぼす個人・組織に登録を義務付け、違反には最高100万カナダドルの罰金が科される
カナダ国籍の中国系女性を、NATO欧州連合軍最高司令部は第三国のためにスパイ活動を行った疑いで拘束した。過去の就職申請で確認していた不正行為と、カナダの安全審査制度の問題点を探る
中国共産党(中共)が人工知能(AI)を通じて自国の技術基盤や規格を海外に広げる動きについて、米シンクタンクのハドソン研究所は、各国を中国の技術体系に依存させる「技術のわな」を生む可能性があると警告した。一帯一路がもたらしたとされる「債務のわな」よりも深刻な結果につながりかねないとの見方である
カナダ安全情報局は、10月17日の地方選挙を前に、リッチモンド市長と市議会議員全員へ非公開の説明会を開き、中共による候補者への接触や中国系有権者を狙った影響力工作の恐れを警告した
南シナ海をめぐる中国とフィリピンの対立が、学術や教育分野にも波及している。フィリピン国防省は、外国政府が支援する学術・文化事業への審査を強化し、中国共産党による認知戦や影響工作への警戒を示した