ヤスデの外部構造図(BlueRingMedia / PIXTA)

オーストラリアで世界初となる1306本の足を持つヤスデを発見

オーストラリア西部のパースにある鉱山の坑道で、科学者たちが数匹のヤスデを発見した。そのうちの1匹は1306本もの脚を持っており、これまでの脚の最多記録である米国・カリフォルニア州の750本の脚を持つヤスデをはるかにしのぐものであった。

科学者たちは、地下約60メートルの坑道でそのヤスデを発見した。グレーと白の2色で、長さは約95mm、330の環節を持つ。

「ミリピード(ヤスデの英名)という名前は、脚が千本以上もあるという意味だが、実際に1000本の脚を持つものはこれまで発見されたことがない」と、主任研究者の一人であるバージニア工科大学の昆虫学者ポール・マレクは言う。

この発見は、12月16日、Nature誌のオープンアクセス・オンライン版であるScientific Reportsに掲載された。

多くの地底生物と同様、そのヤスデは目がなく、体が灰白色である。科学者たちは、彼らが食用菌類を餌にしていると推定している。これまでの研究で、この生物は4億年前にすでに地球上に存在していたことが判明していた。現在では、約1万3千種が存在するという。今回見つけた数匹もその一種である。

研究者によると、卵から孵化したとき、この生物は4対の脚しか持っていないという。その後、成長につれて、胴体の環節と脚の数が増え、成虫になった後も増え続ける。

また、この種のヤスデの脚の数は性差があるようで、オスの方がメスより数が少ない。今回発見された数匹のうち、1匹の雄は198環節、778脚、もう1匹は208環節、818脚であった。記録を更新したのは雌だった。それとは別に、もう一匹の雌も253環節、998脚と非常に長かった。

なぜ、こんなにたくさんの脚が必要なのか?研究者の一人であるオーストラリア国立昆虫コレクションのファニタ・ロドリゲス(Juanita Rodriguez)氏は、「体が長いほど、這い進むのに必要な力は大きくなる」と語っている。

(翻訳・橋本龍毅)

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