EU議会初の台湾関係報告書「最高レベルで台湾と交流を」圧倒的多数で採択
欧州議会外交委員会は1日、EUで初となる台湾との政治関係に関する報告書を圧倒的多数(全70票のうち60票賛成)で採択した。投資協定や、台湾にあるEU代表事務所に「台湾」の名前をつけることなどを推奨した。さらに、中国から台湾に対する圧力についても「EUが行動を起こすべきだ」と提言した。
報告書は、EUの政策執行機関である欧州委員会に対して、台湾政策を建議している。EUと台湾は「自由、民主主義、人権、法の支配という価値観を共有し志を同じくするパートナー」と表現し、最高レベルでの台湾との公式交流を強化することを勧めた。加えて、EU台湾関係を強化するために、二国間投資協定(BIA)の評価や交渉の推進を提言した。
同書はさらに、中国による台湾に対する領域侵犯や偽情報拡散キャンペーンなどの圧力に深い懸念を表した。この現状は「インド太平洋地域の平和と安定に深刻な脅威をもたらしている」と述べ、EUが行動を起こすことを推した。
そして、台湾にあるEUの外交事務を担う「欧州経済貿易事務所(European Economic and Trade Office)」の名称を「駐台湾EU事務所(European Union Office in Taiwan)」に変更することを提案した。
他にも、同書では、EUのインド太平洋戦略に台湾を含めることや、世界保健機関(WHO)や国際民間航空機関(ICAO)などの国際機関に台湾がオブザーバーとして全面的に参加できるようにすることを求めた。
同書を調整したスウェーデンの欧州議会議員チャーリー・ワイマース(Charlie Weimers)氏は、報告書の採択は「重要なパートナーである台湾との関係を強化する準備がますます進んでいるという強いメッセージを発信している」とコメントした。
欧州議会で議連「友台小組」(台湾に友好的な議員連盟)を率いるマイケル・ガーラー(Michael Gahler)議員は、先進民主主義国家であり、インド太平洋地域における重要なパートナーである台湾との関係を強化すべきだと述べた。
外交委員会で承認された同報告書は、今後、欧州議会本会議にかけられる。
(翻訳編集・佐渡道世)