欧州連合(​EU)本部前にて。2019年10月16日撮影。(Photo by KENZO TRIBOUILLARD/AFP via Getty Images)

EU議会初の台湾関係報告書「最高レベルで台湾と交流を」圧倒的多数で採択

欧州議会外交委員会は1日、EUで初となる台湾との政治関係に関する報告書を圧倒的多数(全70票のうち60票賛成)で採択した。投資協定や、台湾にあるEU代表事務所に「台湾」の名前をつけることなどを推奨した。さらに、中国から台湾に対する圧力についても「EUが行動を起こすべきだ」と提言した。

報告書は、EUの政策執行機関である欧州委員会に対して、台湾政策を建議している。EUと台湾は「自由、民主主義、人権、法の支配という価値観を共有し志を同じくするパートナー」と表現し、最高レベルでの台湾との公式交流を強化することを勧めた。加えて、EU台湾関係を強化するために、二国間投資協定BIA)の評価や交渉の推進を提言した。

同書はさらに、中国による台湾に対する領域侵犯や偽情報拡散キャンペーンなどの圧力に深い懸念を表した。この現状は「インド太平洋地域の平和と安定に深刻な脅威をもたらしている」と述べ、EUが行動を起こすことを推した。

そして、台湾にあるEUの外交事務を担う「欧州経済貿易事務所(European Economic and Trade Office)」の名称を「駐台湾EU事務所(European Union Office in Taiwan)」に変更することを提案した。

他にも、同書では、EUのインド太平洋戦略に台湾を含めることや、世界保健機関(WHO)や国際民間航空機関(ICAO)などの国際機関に台湾がオブザーバーとして全面的に参加できるようにすることを求めた。

同書を調整したスウェーデンの欧州議会議員チャーリー・ワイマース(Charlie Weimers)氏は、報告書の採択は「重要なパートナーである台湾との関係を強化する準備がますます進んでいるという強いメッセージを発信している」とコメントした。

欧州議会で議連「友台小組」(台湾に友好的な議員連盟)を率いるマイケル・ガーラー(Michael Gahler)議員は、先進民主主義国家であり、インド太平洋地域における重要なパートナーである台湾との関係を強化すべきだと述べた。

外交委員会で承認された同報告書は、今後、欧州議会本会議にかけられる。

(翻訳編集・佐渡道世)

関連記事
欧州連合は9月13日に中国製EVの不当な補助金について調査を開始した。のEUは、中共の不公平な競争に対して、米国と同様に、中国製品に関税を課すようになっていると述べた。
欧州委員会のティエリー・ブルトン委員がツイッター本社を訪れ、8月に施行される欧州連合(EU)の検閲推進法案「デジタルサービス法(DSA)」への対応の進捗状況を確認した。
米誌「ニューズウィーク」最新号によると、中国国営企業は欧州連合(EU)の14の港を含めて、世界各地で約100の […]
欧州連合(EU)の外交を所管する対外行動庁(EEAS)は4日、ウクライナ問題で中立的な立場を強調する中国政府は […]
[ブリュッセル 28日 ロイター] – 欧州連合(EU)欧州委員会は28日、財政枠組みに関する意見 […]