中共のターゲットにされる企業には共通点がある。政権にとって(潜在的な)脅威と見なされたからだ。在米経済学者の何清漣氏が分析した(Ed Jones/AFP/Getty Images)
何清漣評論

相次ぎ締め付けられる民間企業 「中共の信頼を得るのは容易ではない」

改革開放以来、中国でかつていなかった超富裕層が急ピッチに増えた。中国共産党(以下、中共)は一時、彼らを体制に迎え入れ、歴代の最高指導者も彼らの心を和ませる言葉を贈ったり、中共の仲間になったと思い込ませた。しかし、幸せな日々は終わりに向かっているようだ。2015年以降に繰り出された「新公私合営論」と「民営経済退場論」の脅威は、2018年11月の習近平総書記の談話によって一時的に緩和されたが、今ではスーパーリッチの頭上にたれ込める暗雲になっている。ほとんどの民営企業家は、昨年11月に始まった業界の「整理整頓」で、国有経済と民営経済の比重調整を避けて通れないと覚悟したのであろう。

中国政府はテクノロジー業界を精力的に「整理整頓」している。アリババの創設者の馬雲(ジャック・マー)氏、ネット共同購入サイト「拼多多 (ピンドウドウ)」の創設者の黄崢(コリン・ホアン)氏、総合家電メーカー「小米科技(シャオミ)」の創設者の雷軍(レイ・ジュン)氏、字節跳動科技(バイトダンス)の創設者の張一鳴(チャン・イミン)氏など、業界大手の民営起業家は安泰を乞うため、慈善団体に多額の寄付を続け、当局の貧困緩和政策に協力することで、さらなる「整理整頓」のリスクを回避しようとしている。

もちろん、中国政府は手当たり次第に民営企業を締め付けているわけではない。よく分析してみると、ターゲットにされる企業には共通点がある。政権にとって(潜在的な)脅威と見なされたからだ。

▶ 続きを読む
関連記事
米中首脳会談は中国優勢との見方を覆し、米国の圧倒的勝利と分析。OpenAIの暴走騒動や米中AI開発競争の激化、米「AI軍」創設宣言が力関係を一変させ、中国を交渉の場へ追い込んだ舞台裏に迫る
中国共産党では第21回党大会に向けた人事が動き始めている。高級幹部の高齢化と世代の断層を背景に、1970年代生まれの幹部が中央委員会にどこまで進出するのか。習近平体制の人事と有力候補を分析
聖書の「バベルの塔」の物語を手がかりに、AI開発競争を考察。技術や資本の集中、共通基盤への依存、競争から取り残されることへの懸念など、現代のAI開発と物語に共通する構図を探る
習近平の訪米に合わせ、ワシントンで中国の民主活動家や香港人、台湾人、チベット人、ウイグル人らが大規模な抗議を実施。若い世代の参加や団体間の連携、越境弾圧への反発など、海外抗議運動の変化を読み解く
国家は永遠ではなくとも、先人から受け継いだ伝統文化や祈りを次代へ手渡す責務は残る。東西の古典や思想を手がかりに、国家崇拝や排外主義に陥らない健全な祖国愛のあり方と、私たちが果たすべき務めを静かに問い直す論考