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農科学もうひとつの道 完全自然農法

4. 自然農法の歴史と現在~量子物理学が農科学を進化させる

自然農法という言葉は、日本発祥とはいえ、まだ100年ほどの歴史しかない。また、明確な定義もない。日本では、古くから人糞肥料を使う習慣があり、さらに明治時代になってから化学肥料や農薬を使うようになったことで、農地が荒れ、不健康な農作物が一般に広がるようになっていた。そんな環境のなか、2人の先駆者が現れた。ひとりは岡田茂吉、もうひとりは福岡正信という。それ以来、多くの有志がどちらかの考え方を学び、研究と実践を続けている。

肥料や農薬に頼らずとも農作物は栽培できる──。2人の先駆者は同じように持論を提唱した。そして、その理想に人生をかけた人たちが少なからずいた。この記事を書いている私自身もそのひとりだ。しかし、自然農法はいまだに世間に広く認知されておらず、途中で挫折する実践者も後を絶たない。ところが、20世紀後半から21世紀にかけての数十年、科学の発展はすさまじいものがあった。人間は月に旅行に行ける技術を発明し、庶民がインターネットによって瞬時に情報を交換することも可能になった。その重要な鍵を握っているのが量子物理学(量子力学、量子論ともいわれる学問分野)だ。

一般には馴染みのない言葉であるし、その考え方を理解するには、少なからず科学の知識が必要になる。ただし、ふだん私たちが使っているスマートフォンやパソコン、テレビやDVDプレーヤーなどの心臓部である半導体(ICやLSIといった集積回路)は、量子物理学を応用した電気製品であることぐらいは知っておきたい。そして、量子物理学は近年、さらに奥深い研究成果が一般にも知られるようになったことで、実は自然農法も新しい局面を迎えている。つまり、これまで抽象的な理想論でしかなかった技術が、科学的な説明で裏付けられるばかりか、再現性も示すことができるほど進化しているのだ。

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