北京の天安門広場で行われた軍事パレードに参加した核弾頭を搭載した大陸間弾道ミサイル「DF-41」=2019年10月1日(Greg Baker/AFP/Getty Images)

中国、新疆でも核ミサイル地下格納庫群か 衛星画像で確認 先月に続き2度目

米国科学者連盟(AFS)は26日の報告書で、衛星画像の分析により、「中国共産党が新疆ウイグル自治区東部のハミ市付近に、核ミサイルの地下格納庫とみられる施設を110カ所建設している」と明らかにした。

先月、米紙ワシントン・ポストは、北西部甘粛省の砂漠地帯に同様の核ミサイル施設が119カ所建設されていると報じたばかりだ。

報告書は、「甘粛省と新疆ウイグル自治区での格納庫の建設は、中国の核戦力のこれまでで最も重要な拡大を意味する」とし、中国共産党の核開発の規模は、自称しているような「最小限」のものではなく、むしろ核軍拡競争のレベルに達していると指摘している。

衛星画像の発見

これは、AFSのリサーチアナリストであるマット・コルダ(Matt Korda)氏が、民間の衛星データを使って新疆ウイグル自治区を調査した際に発見したものである。同氏は26日、自身のツイッターで研究結果を発表した。

コルダ氏は、画像のなかにドーム状の構造物を発見したという。これは、中国の技術者が、地下核ミサイル格納庫群の建設現場を隠すために作ったものだと確認されている。甘粛省でも同じものが発見されたという。

コルダ氏はツイートで、「中国の2つ目の地下格納庫群が発見されたのは、米国とロシアが『戦略的安定対話』を行う数日前のことだった」「中国が建設している格納庫の数は、ロシアが使用している大陸間弾道ミサイルICBM)の格納庫より多く、米国のICBMのほぼ半分の規模になっている」と指摘した。

26日付のニューヨーク・タイムズ紙(NYT)は、米国の偵察衛星が数カ月前に同じ構造物を発見していた可能性が高いと報じたが、米国家安全保障会議(NSC)はこの件についてコメントを控えた。

中国共産党による核の脅威

核兵器の統合運用を担う米戦略軍(USSTRATCOM)は27日、NYTの関連記事をリツイートし、「この2カ月で2度目だが、世界が直面している脅威の増大と、それを取り巻く秘密のベールについて私たちがずっと懸念してきたことが、世間に知られるようになった」とツイートした。

米戦略軍の司令官、チャールズ・リチャード(Charles Richard)海軍大将は、4月の議会公聴会で、「ICBMの拡大や、衛星監視を容易に回避できる新型の移動式ミサイル発射装置の導入など、中国共産党の核戦力がかつてない速度で拡大している」と警告した。

下院軍事委員会即応力小委員会の最高位の共和党員であるマイク・ターナー(Mike Turner)議員は27日、中国共産党の核増強は前例のないもので、米国とその同盟国を脅かすために核兵器を配備していると述べた。

さらに、北京が軍備管理協議への参加を拒否していることについて、同議員は「世界が懸念すべきことであり、すべての責任ある国が非難すべきことである」と述べた。

米ロの「戦略的安定対話」

米国務省のウェンディ・シャーマン(Wendy Sherman)副長官は、26日に中国を訪問した後、28日にジュネーブでロシアと核兵器などの軍備管理について協議する「戦略的安定対話」を行う。

米政府は中国に対し、米露間の軍備管理条約への参加を繰り返し求めてきたが、中国政府は自国の核兵器は米露に比べてはるかに少ないと主張し、要求を一蹴した。

6月下旬、中国共産党が甘粛省で大規模な地下格納庫群を建設していることが判明した際、米国務省は、中国の核開発は懸念材料であり、北京は十数年にわたって口約束している最小限抑止戦略から逸脱していると指摘し、北京に軍拡競争のリスクを軽減するために効果的な措置を講じるよう求めた。

(翻訳編集・王君宜)

関連記事
通学中の学生を狙った社会報復事件が絶えない中国、学校前は厳重警備。
その非人道的な所業から多くの国から停止を求められている中共の臓器狩り。中国共産党は否定しているが、今回、党内部の官僚から内部告発があった。告発者は「これはすでに産業化された仕組みだ」と述べている
10年前、中共は「中国製造2025」計画を掲げハイテク製造業強国を目指した。しかし現在、中共は知的財産権侵害や不公正競争の指摘を受けている。EVや高速鉄道で進展も、核心的な技術は不十分だ。
中国の資本市場から11月に457億ドルの資金が流出し、過去最大を記録。トランプ氏の関税政策への懸念と中国経済の不安定さが主因。中国政府の景気刺激策は市場の期待に応えられず、人民元も下落。習近平は窮地に陥っている