日本の作家である木下諄一さんは、台湾人の一番の魅力はホスピタリティだとおっしゃっています。 写真は、豪華な料理のテーブル(Fast&Slow / PIXTA)

日本の作家が語る「おごる」 台湾人のいちばんいいところ

日本の作家が語る「おごる台湾人のいちばんいいところ

台湾人はおごり好きで知られていて、知らない外国人を驚かせたり、びっくりさせたりすることがあります。台湾に30年以上住んでいる日本人作家の木下諄一は、台湾の社会や文化を詳細に観察しています。 台湾のおごる文化について、「『おごる』は台湾人の最も素敵なところであり、日本では学べない人生の哲学である」と、日本人の視点からコメントしました。

木下諄一さんは3月7日、自身のYouTubeチャンネル「超級爺爺Super G」で、「台湾に来てから僕は色々なことを学びました。そのうちのいくつかは、日本にいたら、絶対に学ぶことが出来なかったもの」「今日はそんな中から、皆さんにご紹介します。台湾人のおごるということ、さらにお金の使い方にまで話を広げて学ぶ価値ありと思ったことをお話します」と語りました。

木下さんは「僕の経験では日本人は台湾人のようにかっこよくおごる人は少ないです」と語りました。「多くの日本人が台湾に来て、台湾人の熱烈で気前のいいことに驚くことでしょう」

遠路はるばる来た友人と食事をしても、台湾人は「割り勘」などとは絶対に言わないという。台湾人にとっては当たり前のことだが、日本人にとってはそうではありません。

彼は台湾に来た時、台湾の友人に食事をごちそうされたことがあって、最初は嬉しかったが、何度か来ると「いつもおごられっぱなしは何だか申し訳ない」と負い目を感じてきたと話しました。友達に割り勘をしないかと聞くと、何もなかったかのように、笑いながらさっと席を立って勘定を済ませました。

この「すごい」「何というカッコ良さ」動作は心に刺さったという。自然な態度で友人をもてなす台湾人を見習いたいとも思いました。

何度も実践した後、奇妙なことが起こりました。彼はそれまで経験したことのなかった不思議なことを悟りました。

おごった人はお金を使っても、数倍の幸福感が心の中に返ってくるという。「お金を持ってるっていう感覚は悪くないけど、みんなで楽しめるなら、これ以上何も望むことはないような。」これはそれまでに味わったことのない幸福感を体験したという。

日本にいた頃は、自分も周りの人達も割り勘は基本的な発想だった、おごりという概念がなかったと振り返ります。しかし台湾に来てから、これはどこか間違っているような気がしました。

台湾人が請求書を取り合い、負けた人が「わかった。ここはおごらせてやるよ」と言うのも観察しました。お互いにおごりの楽しさがわかるので、一人が「おごらせてやる」と言えば、もうひとりはその言葉の意味を理解してくれます。

彼は、「自然でかっこいい台湾風のおごり方は、何度見ても気持ちがいい」と話した。「ここはおごらせてやるよ」というのは、台湾が生み出した文化の極みでしょう。

木下さんの動画は、ネットユーザーから熱い議論を巻き起こしました。ある人は彼の文化観察がとても細かいと賞賛する声もあれば、「大切なのはおごることの真意であって、金額ではない」という声もありました。

また、「それだけではありません。 台湾人と食事をする機会が増えると、「前回はあなたがおごらせてやったから、今回は私の番よ!」という言葉を耳にすることがあります。

だから「今回おごらせてやる」というのは、「今度おごってあげる」という意味で、「また食事に出てくる」とか、「私たちの関係は続く」とか、「私たちの友情はちょっとしたお金のようなものではない」という複雑な文脈が含まれています。

(翻訳 源正悟)

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