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【歌の手帳】五月雨のころ

都だにさびしかりしを雲はれぬ吉野の奥の五月雨のころ(新葉集)

歌意「五月雨(さみだれ)のころ。雨雲の晴れないこの季節は都にいても寂しいものだが、吉野の行宮(あんぐう)にいる今は、なおさら寂しさがつのることだ」。

後醍醐帝(1288~1339)の作。鎌倉幕府を倒して自ら政治を行う建武(けんむ)の新政を建てたものの、足利尊氏と対立して戦いとなり、これに敗れます。廃帝となった後、奈良の山深い吉野に行宮を開き、大覚寺統の南朝を樹立します。

王莽(おうもう)を倒して漢王朝(後漢)を復活させた光武帝(こうぶてい)に因み、その年号である建武(けんぶ)にあやかった建武の新政でしたが、都を遠く離れた後醍醐帝の御心は、梅雨空のように寂しく晴れないものでした。

(聡)

 

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