中国雲南省南西部の峨山イ族自治県で撮影した野生のアジアゾウの群れ=2021年5月28日 (Hu Chao/Xinhua via AP)

ゾウの群れ、謎の大移動 生息環境の悪化による「放浪」か=中国雲南省

最近、中国の「野生ゾウの北上ツアー」が話題になっている。昨年3月以降、雲南省シーサンパンナに生息していた野生のアジアゾウの群れ(15頭)が、生息地を離れて800km以上(直線距離で約500km)北上し続け、6月2日夜に人口850万人の省都・昆明に到着した。

複数の中国メディアによると、群れが行く先々で、住民が緊急避難したり、ドアや窓を閉めた家に隠れたりしていた。5月末までの40日余りで、この群れは移動中に412件の物損事故を起こし、農作物などの被害が約680万元(約1億1700万円)にのぼった。

地元の森林局は、ゾウの通り道に障害物を設置したり、食べ物でおびき寄せたりして、ゾウが人口密度の高い北部地域に行くのを阻止しようとしている。群れが昆明に入ってからの数日間は、百人以上の建設車両の運転手が昼夜を問わず群れの動きを追っていた。群れが村や人口密集地に向かうと、すぐに指定された場所に車で移動し、ゾウの行く手を阻んだ。

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