元英国外交官のロジャー・ガーサイド(Roger Garside)氏は、中国経済を発展させたのは共産党ではなく、中国人民だと述べた。写真は中国上海市で街を行き交う市民たち(NOEL CELIS/AFP via Getty Images)

英元外交官「中国の経済を成長させたのは中国人民だ」

元英国の駐中国外交官であるロジャー・ガーサイド(Roger Garside)氏は23日、米オンライン週刊誌「The Wire China」のインタビューで、「中国経済を発展させたのは中国共産党ではなく、中国人民である」と発言した。同氏はまた、中国での政権交代や指導者交替の可能性とその理由について言及した。

中国共産党は過去40年間、驚異的な成長を遂げたのは、国有企業、共産党、そして中国の特色を備えた社会主義のおかげだと宣伝してきたが、同氏は「これには同意できない。中国の経済を強くしたのは中国の人民と民間企業とその活力だ」との見方を示した。

その理由について、「中国は道徳的危機、拡大し続ける大きな社会的不平等、知識と文化の停滞、統治者と被統治者間の信頼の欠如、同僚間の信頼の欠如、世界各国との大きな不信頼関係など長年にわたる根深い問題に苦しんでいる。しかし、これらの問題はいずれも全体主義体制では解決できず、あるいは効果的に対処できない問題ばかりだ。どんなに繕っても、政治改革がなければ、中国経済の健全な発展に不可欠な自由市場経済への移行はできない」とした。

さらに、「選挙と政治の自由を通じて市民を動員しなければ、地域レベルでの既得権益を克服することはできないだろう。そして、自由な報道と独立した司法機構がなければ、腐敗を減らすことはできない。しかし、これらのことはすべて、自由に選出された民主主義政府にしか解決できない。中国の李克強首相らはこのことをしっかり理解しているはずだ」と同氏は語った。

ガーサイド氏は4月30日付のカナダ最有力紙「グローブ・アンド・メール(The Globe and Mail)」に寄稿し、中国共産党の政策はすでに中国にダメージを与えていると指摘した。

「中国の多くのエリートが習近平氏の路線に強く反対している。なぜなら、彼らは、政治改革のない経済改革が中国に害を及ぼし、同時に彼ら自身の利益までも危険にさらしていることを認識しているからだ。彼らは政治改革を渇望している」

「中国の活気ある民間部門と膨大な中産階級は皆財産を所有し、教育を受け、向上心もある、しかし、彼らはあらゆる政治的権利を奪われている」

「中国の経済的成功は、社会主義による恩恵ではなく、中国人民の活力と向上心のおかげだ。しかし人民は選挙権も、彼らの統治者を罷免する権利もない。このような政府システムは不信頼と恨みを生んでいる。これこそが中国共産党政権の弱さの根源だ」

「もし人々が当局の宣伝から抜け出して考えれば、このいわゆる『万能の党』には、根強く存在する一連の問題を解決する力がないことに気づくだろう」

同氏は記事の中で「中国の政権交代は可能であるだけでなく、不可欠だ」と強調した。

ガーサイド氏は北京の英国大使館に勤務する経歴を持ち、「Coming Alive: China After Mao」「China Coup: The Great Leap to Freedom」の本の著者だ。同氏は1958年以来、中国情勢の進展に注目し、中国の政治経済学を長年研究している。中国の内部状況をよく理解している彼の見解は外界から注目を集めている。

(大紀元日本ウェブ編集部)

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