滋陰貴妃湯を一碗飲み、足ツボをマッサージすることで更年期の症状緩和に役立ちます。(Shutterstock)

更年期の症状緩和に役立つ「楊貴妃のスープ」 

更年期が近づくことを、ほとんどの女性は自覚できます。月経が不規則になるとともに、体がほてったり、気分が変わりやすくなったり、人によっては夜眠れなくなることもあります。このような時には、症状の緩和に役立つ滋陰貴妃湯(じいんきひとう)を1碗飲み、ご紹介する足ツボマッサージすることをお薦めします。

更年期の女性にお薦めする「滋陰貴妃湯」

台北市にある「理想漢方クリニック」の院長・林佩蓁氏は、こう言います。「更年期は女性の一生の中で特別な時期です。この時期には、自分を楊貴妃のように大切に扱って、適切にケアすれば、心身ともに健やかでいられるでしょう」。

そこで、唐の楊貴妃も飲んだと言われる滋陰貴妃湯(じいんきひとう)の作り方を、ご紹介します。

材料は、豚テール骨500 g、マッコリ大さじ2、塩少々。そこに加える薬材は、当帰(トウキ)15g、熟地黄(ジュクジオウ)10g、川芎(センキュウ)8g、枸杞子(クコの実)20g、ナツメ3粒、干し生姜3g。作り方は、材料と薬材を一緒に鍋に入れ、3碗の水を入れて中火にかける。スープの量が1碗程度になるまで煮る。

漢方医学における滋陰貴妃湯は、体の機能を改善するとともに、血を補い、皮膚を潤すなど各種の効能があります。更年期の女性には嬉しい、美容の効果もあります。

それぞれ本来の機能を補助することを、漢方では「補う」と表現します。当帰は血を補い、熟地黄は腎陰を補い、クコは肝臓や腎臓を補い、ナツメは気を補う働きがあります。婦人科に関係する多くの問題は、肝臓、脾臓、腎臓に由来するとされますが、これらの生薬は、それぞれの臓器が本来もっている機能をよく補助するのです。

大豆更年期の女性に良い食物

豆乳、豆腐、豆花などの大豆製品は、更年期の女性にぜひお薦めしたい食品です。

大豆は植物ホルモンを補ってくれます。林佩蓁氏によると「なぜ東洋人に見られる更年期の症状が、西洋人のそれに比べて著しくないかというと、東洋人は大豆製品を食べることが多いからです」とのこと。もちろん大豆は、老若男女を問わず、どなたにとっても良い食材です。

胡麻(ごま)や胡桃(くるみ)も食べてください。胡麻は抗酸化物質ビタミンEが多く、肌や目に良い食物です。クルミは脳を適度に刺激します。ただし、ナッツ類はエネルギーがやや高いため、適量を食べるに止めましょう。食べ過ぎると、口の乾燥を引き起こす原因にもなります。

ご飯を炊いてお粥を作るとき、ビタミンB群を多く含む玄米やオートミールを加えると、気分が安定します。炒め物や煮物には、シイタケ、キクラゲを入れてください。豊富な多糖体と繊維質を補充することで、血管がきれいになります

更年期の足ツボマッサージ、まずは「三陰交」から

足ツボをマッサージすることで、更年期の症状を和らげることができます。

今日ご紹介するのは「三陰交」「大渓」「湧泉」。いずれも代表的な穴(ツボ)です。

三陰交穴

林佩蓁氏は「更年期の女性は、必ず三陰交をよくマッサージしてください」と言います。三陰交穴は肝臓、脾臓、腎臓の三つの経絡が交わる場所で、ここが婦人科の病気の解決ポイントとのこと。アロマオイルがあれば、このツボを指圧するときに使ってください。

太渓穴

更年期の女性の主な問題は腎臓の水不足です。太溪穴をマッサージすると腎臓の水を補うことができます。]

 

湧泉穴

湧泉穴は、気分を安定させ、血圧を下げるツボです。いらいらして怒りやすい時などは、湧泉穴をよく指圧してください。気持ちが落ち着いてくるはずです。

 

(文・穆簡 翻訳編集・鳥飼聡)

 

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