唐吉田弁護士 (Photo credit should read OLLI GEIBEL/AFP via Getty Images)

日本に留学中の娘が重病 中国人権派弁護士、出国許可されず 

北京の人権派弁護士である唐吉田氏は、多くの人権課題を請け負ったことで、中国共産党当局から弁護士資格を剥奪され、10年以上にわたり出国禁止令が出されている。5月初旬、日本に留学している唐氏の娘が肺結核を患い入院したとの話を受けて、唐氏は出国許可を当局に申請した。唐氏は早急な手続きを求めているが、北京当局は「検討中」としている。

唐氏は自身のSNSで娘の状況を綴った。娘は脳浮腫を発症して、人工呼吸器を挿管している。日本の病院医療スタッフによる懸命な治療が続いているという。「娘にはいろいろな苦労をかけた。今までの借りを返すためにも、もっと彼女のそばにいてあげたい」と嘆いた。RFAのインタビューによれば、唐氏の娘は脚や腰にも結核菌が浸入したという。

中国の人権派弁護士である唐吉天氏のモーメンツ。 (インターネット写真)

訪日ビザについて、唐氏は「担当者には上司に報告すると言われた。昨日の返事によれば、検討段階であり、最終的な結果を後日伝えるとのことだ。直接相談した役員は実際に権力を持っていないので、 最終的に権力を持つ人々がどのような判断を下すのか、待つしかない」と心境を明かした。

人権弁護士であり、当局に一時拘束された経験のある王宇は、唐氏の出国を許さない当局の対応を批判した。「危篤状態にある娘の世話をするための出国が許されないのは人道的な問題だ」とし、共産党政権は「法治国家」だと宣伝しているが、個人の出国制限は矛盾していると指摘した。

当局から「国家の安全を脅かす」人物と指定されている王氏もまた、自身を含む家族も監視下に置かれ、自由に出入国できない。「唐さんの出入国禁止令が解除されることを願うが望みは薄い。以前は出国できたのに、今は出国できない弁護士もいる。ずっとできない弁護士もいる。この状況で、今、出国許可が出る可能性はほぼないのでは」と述べた。

著名な人権派弁護士の唐吉田氏

唐吉田氏は、中国の著名な人権派弁護士で、長年にわたり、土地収用の被害者、法輪功学習者、言論の自由、市民的・政治的権利、その他の弱者の権利を守るために活動してきた。2009年、2010年、2011年、2013年、2014年の数回にわたり、非合法的に拘留された。2010年、唐吉田氏は北京市司法局から「裁判所の規律を乱した」という理由で、弁護士資格を剥奪された。

2014年3月下旬、唐吉田氏をはじめとする4人の人権派弁護士は家族に委託され、行方不明の法輪功学習者を探すために、黒竜江省建三江青龍山農場にある「洗脳教育クラス」を尋ねた。

法輪功弾圧の延長として、共産党は学習者を擁護する弁護士も弾圧する。4人の弁護士は拉致されて拷問を受けた。唐吉田氏は殴られて肋骨10本と歯が折れ、王成氏は胸骨が折れ、江天勇氏は胸部と腹部全体に打撲傷があり、肋骨が8本折れ、張俊傑氏は背骨が折れていた。この事件は「建三江事件」とも呼ばれている。

その後、当局による病院への圧力と脅迫により、唐氏は治療を受けることができず、第一脊椎と第二脊椎に結核菌が侵入した。しばらくして、北京軍総病院が唐氏を入院させ、手術を施した。しかし、病院には武装警官2人が唐氏を日常的に監視した。治療を終えないまま、病院の医師は唐氏を強制退院させた。

2016年9月、唐氏は北京で原動機付三輪車に轢かれ、腰を骨折し、腕を負傷した。警察はまだ犯人を特定できていない。 腰椎の結核が深刻化し、中国では有効な治療が受けられないため、2017年11月に香港で治療を受けようとしたが、「国家の安全を脅かす」との理由で、唐氏の出国は拒まれた。

(翻訳編集・蘇文悦)

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