緑豆はるさめを使った料理「はるさめの海鮮あえ」。栄養豊富で、満足感十分の一品です。(Shutterstock)

はるさめ活用 食べて痩せるダイエット術

はるさめは低カロリーの食材ですが、水分を吸いやすいため、鍋に入れて煮込むと濃厚なスープを吸い結果的にカロリーが高くなってしまいます。そこで、次のような点に注意して活用すれば、非常に効果的なダイエット食になります

低カロリーなのに、なぜ「高カロリー食」になっちゃうの?

はるさめ100gは熱量計算で351~370キロカロリーほど。一見すると高カロリー食ですが、これは乾燥したはるさめの場合を指します。実際には、一回の食事で食べるはるさめの量は決して多くはないのですが、鍋物のなかに入れて、肉や魚の脂肪が溶けた濃厚なスープで煮込めば、はるさめはたっぷりその汁を吸ってふくらみます。これこそ、はるさめが高カロリー食に変わる「地雷的」な組み合わせなのです。

台北市にある栄新クリニックの栄養士・李婉萍さんは「はるさめは、鍋に入れるとスープを吸収します。特にカレーやココナッツミルクのような濃厚なスープでは、多くの油を吸います。塩辛いスープは、はるさめに多くの塩分を吸い込ませるため、後で体の水腫れを引き起こします」として、調理上の注意を呼びかけます。

はるさめは、優良なダイエット

水分を吸収して膨張するはるさめは、実は、少量で満腹感をもたらす優良なダイエット食なのです。その機能を十分に生かすため、次の2点に注意しましょう。

一つは、スープの濃さと調味料の種類です。

使うスープは、あっさりして澄んだスープである清湯(チンタン)にします。家庭で作る場合には、しいたけと鶏だけでとったような、透き通ったスープがいいでしょう。調味料もできるだけ少なく薄味にする、しかもなるべく「加工品でない調味料」を使うようにします。味をつける際には、レモン汁、トウガラシ、ネギ、ニンニクなどを使って風味や香りを増すようにします。豆板醤、唐辛子醤、沙茶醤などは、カロリーを増やす「加工品の調味料」ですので、あまり多くは使わないようにしてください。

 

はるさめは、低カロリーですがスープを吸いやすい食材です。2つの点に注意すれば、効果的なダイエット食となります。(Shutterstock)

二つ目は「緑豆はるさめ」を選ぶことです。

昔は、緑豆を加工して作った「緑豆はるさめ」が主でした。現在の市販のはるさめは、ジャガイモ、キャッサバ、サツマイモなどの澱粉を原料とする「イモ類はるさめ」が多くなっています。はるさめを購入する際に、表示成分を見れば原料がわかります。

この2種類のはるさめは、カロリーの差はほとんどありませんが、吸水率、栄養分および血糖値の上昇を表すグリセミック指数(GI値)は大きく違います。

料理研究家で栄養士の田村蕾氏が著書『冬粉新食感!減糖常備料理100』では、イモ類はるさめは水を吸収すると3倍、緑豆はるさめは4~5倍に膨張すると紹介しています。緑豆はるさめを食べて得られる満腹感は、イモ類のそれよりも効果的ということです。

イモ類はるさめ100gの食物繊維は1.4g、緑豆はるさめは4gです。食物繊維は満腹感を増すだけでなく、食後血糖値の上昇を抑える効果もあり、結果として空腹を感じにくくなるわけです。そのほか、タンパク質、ミネラル、ビタミンの含有量など、いずれの項目も緑豆はるさめのほうが優れていると言えます。

 

緑豆はるさめは、食物繊維、タンパク質、ミネラル、ビタミンを多く含んでいます。(Shutterstock)

 

緑豆はるさめを使った料理の1例「はるさめの海鮮あえ」

材料:緑豆はるさめ、たまねぎ、きくらげ、きゅうり、むきエビ、イカ

調味料:酢と醤油を1対1の分量で混ぜておく

作り方:材料の野菜類は細切り。きくらげは水でもどし、小さくちぎっておく。適量のはるさめを熱湯で10分間ゆでた後、冷水でしめてからザルに取る。イカは軟骨を抜き、飾りの包丁を入れて、一口大に切る。イカと、背わたを抜いたむきエビを湯通しし、氷水でしめる。全ての材料を合わせてから調味料を加え、皿に盛る。

低カロリー低脂肪でありながら、満腹感を得られる一品です。むきエビの代わりに、ボイルした鶏むね肉でもできます。ぜひ、お試しください。

(文/蘇冠米 翻訳編集・鳥飼聡)

 

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