(Photo by Wang He/Getty Images)
【医学古今】

慢性中耳炎の鍼灸治療

慢性中耳炎で鍼灸治療に来られる方は、さほど多くはありません。鍼灸で中耳炎の治療ができることを知らず、鍼灸治療を受けることを思い付かないためです。しかし実際は、中耳炎も鍼灸治療の適応症の一つです。最近このような患者さんを治療して、良い効果が得られました。

 50代の女性で、慢性中耳炎のため何回も鼓膜切開手術を受けている方がいました。中耳の中にどろどろした液体が溜まり、鼓膜切開をしてもなかなか取れません。耳鳴りもあり、聴力が徐々に低下していると感じておられました。また、耳の他に喘息も患っており、副鼻腔炎で手術を受けたこともあります。

 鍼灸医学の経絡理論から考えると、耳の周りに廻る経絡は太陽小腸経(たいようしょうちょうけい)、少陽胆経(しょうようたんけい)と少陽三焦経(しょうようさんしょうけい)で、臓腑理論から考えると、耳は腎臓の外竅(がいきゅう)で、その機能は腎と密接に関連しています。さらに喘息、つまり慢性的な肺臓の機能異常は、金(肺)水(腎)相生の五行理論に照らし合わせると、腎の機能に必ず影響を与えています。

▶ 続きを読む
関連記事
運動が体に良いことは知っていても、脳への影響は意外と知られていません。実は、わずか数分の運動でも気分や集中力に変化が現れ、長く続ければ脳の老化対策にもつながる可能性があります
膝の変形性関節症の予防に、ヨーグルトやチーズが関係するかもしれません。日本の成人約1万人を11年間追った研究で見えてきた、発酵乳製品と膝の健康の意外な関係をご紹介します
実年齢は同じでも、脳や心臓の老化の進み方は人によって異なります。血液中のタンパク質から臓器ごとの「年齢」を推定し、症状が現れる前に病気のリスクを見つけようとする研究が進んでいます
「あのとき、違う選択をしていれば」と、昔の自分を責めていませんか。でも、あの頃の自分には、今ほどの経験も心の余裕もなかったはず。過去の後悔と向き合い、自分に少し優しくなるための言葉をお届けします
脳卒中やパーキンソン病の患者の体験を通して、回復に向き合う姿勢を考えます。体の緊張をゆるめる、一つの動きに集中する、小さな練習を続ける。中医学の臨床家が語る3つの工夫と、家族の支え方を紹介します