【医学古今】
歯痛の部位とツボの選択
歯痛は鍼灸で治療すれば、かなり良い効果が得られます。効果の現れも非常に早く、治療し始めてから数分以内にほとんどの痛みが緩和されたり、消えたりします。しかし、良い効果を得るためには、いくつかの条件が必要です。その中で正しい病状認識、病状に合わせたツボの選択、適切な施術方法が治療効果に影響します。
今回、歯痛の部位に合わせたツボの選択方法を少し紹介します。これは台湾の鍼灸名人である孫培榮先生の経験です。歯根の痛みに太谿穴(たいけいけつ・足首の内側)、歯肉の痛みに内庭穴(ないていけつ・足の第2指と第3指の間)、歯冠の痛みに合谷穴(ごうこくけつ・手の親指と人差し指の間)、前歯の痛みに二間穴(手の第二指指節関節の前)、後ろの歯の痛みに三間穴(手の第二指指節関節の後)といった取穴方があります。このような個人の経験は、非常に参考になります。
(漢方医師・甄 立学)
関連記事
抗生物質だけでなく、身近な薬も腸内細菌に影響する可能性がある――。中医学では胃腸を「土」にたとえ、体を育てる基盤と考えてきました。腸の乱れを別の角度から見直すヒントです。
むずむず脚症候群はパーキンソン病リスクと関連する一方、治療薬が発症を抑える可能性も示されました。最新研究が明かす両疾患の意外な関係と、正確な診断の重要性を解説します。
冬になると腰や膝が冷え、関節が動かしにくくなる――。中医学では、こうした不調は体の内側の冷えと関係すると考えられています。かぼちゃと小豆の「いとこ煮」は、巡りを整える養生食として親しまれてきました。
透析患者の命を脅かす心筋梗塞リスクを、魚油が大きく下げる可能性が示されました。大規模臨床試験が明らかにしたオメガ3の効果と注意点を解説する注目の研究報告です。
抜け毛や白髪は年齢だけの問題ではないかもしれません。中医学では、髪の状態は「腎のエネルギー」と深く関係すると考えられています。下半身の簡単なストレッチが、髪の健康を支えるヒントになる可能性も。