2020年8月10日、突然逮捕された香港民主紙創業者の黎智英(ジミー・ライ)氏(VERNON YUEN/AFP via Getty Images)

香港の親中派新聞紙、蘋果日報への取り締まりを主張 獄中のジミー・ライ氏「立ち向かうべき」

香港親中派紙・大公報は16日、香港政府に向けて、民主化活動家でメディア王の黎智英(ジミー・ライ)氏が創刊した「蘋果(リンゴ)日報」を取り締まるよう求める記事を発表した。

同記事は、昨年、国家安全維持法(国安法)が実施されて以降、香港の「一部のメディアは依然として『第4の権力』を使い、外国勢力と結託し、暴力を扇動し偽情報を流している」と主張。「その中で『蘋実日報』が最も悪質だ」と記事は批判した。

記事は、蘋果日報は「香港の国家安全における大きな抜け穴」で、国安法に基づき「取り締まられるべきだ」とした。

2019年、犯罪容疑者の中国本土への身柄引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」の改正案をめぐって、民主活動家や市民が大規模な抗議デモを複数回行った。黎氏は抗議活動や集会に参加し、香港当局を非難した。昨年8月、当局は国安法違反の疑いで黎氏と蘋果日報の幹部らを拘束した。

今月14日、当局に起訴され勾留中の黎氏は、同紙の記者らに宛てた手紙の中で、「現在、言論の自由に関わることは危険な仕事となりました。同僚の皆さん、どうか気を付けてください。危険を冒さないでください。自らの安全が重要です」と呼びかけた。その一方で、同氏は「正義を貫くことはわれわれジャーナリストの責務です」「こういう時代だからこそ、われわれは背筋を伸ばして立ち向かうべきです」と励ました。

中国当局が香港への統治を強めるにつれ、言論の自由や報道の自由が侵されつつある。

香港大紀元時報の印刷工場に12日、正体不明の男らが押し入り、設備などを破壊した。

(翻訳編集・張哲)

関連記事
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]