≪医山夜話≫ (42)
耳のツボ
漢方医の私は職業上の習慣で、人の耳にいつも注意を払います。時には相手の耳ばかり見てしまい、相手の話を聞き逃してしまいます。人間の耳はまるで生命の展示版のように非常に細かく正確に体の状況を反映しており、一目見れば多くの情報を得ることができます。私は時に患者に何も聞かなくても、耳を見るだけで病気の状況をほぼ把握してしまいます。
耳にはたくさんのツボがあります。これらのツボはまるで逆さにした胎児が耳介の上に寝ているように、頭部を下向き、臀部を上向きにして分布しています。人間の体の各部位はみな耳に対応する代表点があります。耳を通して体のすべての部位の病理変化を観察できることも不思議ではありません。例えば、冠状動脈硬化症の人の耳たぶには斜めのしわが現れ、肝ガン患者は耳介にある肝臓の代表区に環状の窪みができ、統合失調症患者の耳甲(耳介中心部のくぼみ)には圧迫痕が現れます。たとえ歯が一本抜けただけでも、必ず耳に兆候が現れます。
人体の十二経脈も耳に繋がっています。古典の『霊枢・口問』には、「耳は経脈が集まるところである」と記されています。そのため、耳の色、位置の高さ、厚さ、形状、硬さなどからその人の先天体質を知ることができ、耳の形と状態から今後の病気を察知することもできます。
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