【漢詩の楽しみ】買 花(花を買う)
帝城春欲暮、喧喧車馬度、共道牡丹時、相随買花去、貴賎無常価、酬直看花数、灼灼百朶紅、戔戔五束素、上張幄幕庇、旁織笆籬護、水洒復泥封、移来色如故、家家習為俗、人人迷不悟、有一田舎翁、偶来買花処、低頭独長嘆、此嘆無人諭、一叢深色花、十戸中人賦。
帝城(ていじょう)春暮(く)れんと欲し、喧喧(けんけん)として車馬(しゃば)度(わた)る。共に道(い)う、牡丹(ぼたん)の時、相い随いて花を買いに去(ゆ)くと。貴賎(きせん)に常価(じょうか)無く、酬直(しゅうち)花の数を看る。灼灼(しゃくしゃく)たり百朶(ひゃくだ)の紅。戔戔(せんせん)たり五束(ごそく)の素。上(かみ)は幄幕(あくばく)を張りて庇(おお)い、旁(かたわら)は笆籬(はり)を織りて護(まも)る。水を洒(そそ)ぎ復(ま)た泥もて封(も)れば、移し来たるとも色故(もと)の如(ごと)し。家家(かか)習いて俗を為さば、人人(ひとひと)迷いて悟らず。
一田舎翁(いちでんしゃおう)有り。偶(たまたま)花を買う処に来たれば、頭(こうべ)を低(た)れて独(ひと)り長嘆(ちょうたん)す。此の嘆(たん)人の諭(さと)る無し。一叢(いっそう)の深色の花は、十戸(じっこ)の中人(ちゅうにん)の賦(ふ)なりと。
関連記事
抗生物質だけでなく、身近な薬も腸内細菌に影響する可能性がある――。中医学では胃腸を「土」にたとえ、体を育てる基盤と考えてきました。腸の乱れを別の角度から見直すヒントです。
むずむず脚症候群はパーキンソン病リスクと関連する一方、治療薬が発症を抑える可能性も示されました。最新研究が明かす両疾患の意外な関係と、正確な診断の重要性を解説します。
冬になると腰や膝が冷え、関節が動かしにくくなる――。中医学では、こうした不調は体の内側の冷えと関係すると考えられています。かぼちゃと小豆の「いとこ煮」は、巡りを整える養生食として親しまれてきました。
透析患者の命を脅かす心筋梗塞リスクを、魚油が大きく下げる可能性が示されました。大規模臨床試験が明らかにしたオメガ3の効果と注意点を解説する注目の研究報告です。
抜け毛や白髪は年齢だけの問題ではないかもしれません。中医学では、髪の状態は「腎のエネルギー」と深く関係すると考えられています。下半身の簡単なストレッチが、髪の健康を支えるヒントになる可能性も。