チベットの光 (35) 師父の怒号
ウェンシーは小さい頃から母親の話を聞くと、それがどんなものであれよく従ってきた。今では師母が実の母親のようになっていたので、それを毛頭疑う余地もなく、小さい頃から嘘をいったためしもなく、このように師父をだますことなど思いもつかず、しかもその結果についても考えていなかった。師母はいつもよくしてくれていたので、師母が間違いをおかすとは到底思ってもみなかったのである。
こうして師母が教えてくれた通りに、彼は荷物をまとめ、いくばくかのツァンバ(チベット民族の主食)を手にすると、師父の見えるところで涙を拭い、去る様子を見せた。師母はそれを引き留めるふりをして、「怪力君、いかないで!今度は師父に法を伝えるように言うから、だから落ち込んだりしないで、いく必要などないから」と言った。しばらくして、それが師父の目に留まり、師父が師母に叫んだ。
「ダメマ(師母の名)!おまえたち二人はそこで何をしとるんじゃ?」
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