(Photo by Lisa Maree Williams/Getty Images)

チベットの光 (35) 師父の怒号

ウェンシーは小さい頃から母親の話を聞くと、それがどんなものであれよく従ってきた。今では師母が実の母親のようになっていたので、それを毛頭疑う余地もなく、小さい頃から嘘をいったためしもなく、このように師父をだますことなど思いもつかず、しかもその結果についても考えていなかった。師母はいつもよくしてくれていたので、師母が間違いをおかすとは到底思ってもみなかったのである。

 こうして師母が教えてくれた通りに、彼は荷物をまとめ、いくばくかのツァンバ(チベット民族の主食)を手にすると、師父の見えるところで涙を拭い、去る様子を見せた。師母はそれを引き留めるふりをして、「怪力君、いかないで!今度は師父に法を伝えるように言うから、だから落ち込んだりしないで、いく必要などないから」と言った。しばらくして、それが師父の目に留まり、師父が師母に叫んだ。

 「ダメマ(師母の名)!おまえたち二人はそこで何をしとるんじゃ?」

▶ 続きを読む
関連記事
運動、仕事、学び、片づけ。成果を生む共通点は「完璧にやる」ことではなく、定期的にその場に立つことだった。
肌のくすみは紫外線だけでなく、睡眠不足や光刺激、ホルモン変化でも進行する。皮膚科医が、安全に透明感を回復させる正しいケアと注意点を解説。
「天然で安全」は本当?大規模研究が、メラトニンの長期常用と心不全リスク上昇の関連を示唆。睡眠サプリの思わぬ落とし穴と、賢い付き合い方を考えるための重要な一報です。
冬は気分の落ち込みや筋骨の弱りを感じやすい季節。チンゲン菜・しいたけ・厚揚げを組み合わせ、肝の滞りをほどき腎を養う冬向きの養生料理を紹介します。
世界の健康食物ランキングで、アーモンドが首位に。さらにラード(豚の脂)もトップ10入りし、健康常識の見直しを促す結果となった