2018年の米MLBオールスターゲーム(宋昇樺/大紀元)

米議員、バイデン氏に「大量虐殺で北京五輪をボイコットか」MLBの球場変更めぐり

米大リーグ機構(MLB)はこのほど、ジョージア州選挙法改正への対抗措置として、7月に予定されていたオールスターゲーム2021の会場を同州アトランタから変更すると正式に発表した。バイデン米大統領はMLBの対応を支持すると表明した。共和党の米議会議員は大統領に対して、この強硬姿勢で北京冬季オリンピックをボイコットするよう呼びかけた。

ジョージア州議会は3月25日、選挙に関する州法の改正案を可決した。同改正案は、不在投票時における身元確認を厳格化し、投票箱のセキュリティ対策を強化するなどと定める。同州のブライアン・ケンプ(Brian Kemp)知事が同日署名し、同法は成立した。米共和党の政治家らは同改正案の成立によって、ジョージア州の選挙活動をめぐり有権者の信頼回復を図れると歓迎した。一方、民主党などは黒人の投票権が制限されたと批判を強めている。

MLBのロブ・マンフレッド・コミッショナーは2日、「MLBは米国人の投票権を支持し、投票への制限に反対する」と述べ、今季のオールスターゲームとドラフト会議の開催地を変更すると正式に発表した。

これに先立ち、バイデン大統領は3月31日、米メディアの取材に対し、オールスターゲームの開催地を変更すると示唆したMLBについて「強く支持する」と発言した。

米CNNによると、大統領は「今日のプロアスリートたちは非常に責任を持って行動していると思う。私は彼らがそうすることを強く支持する」「人々は彼らを尊敬している。彼らはリーダーである」などと話した。

報道を受けて、ダン・クレンショー下院議員(共和党、テキサス州選出)は2日、ツイッター上でバイデン大統領に向けて、「(ウイグル人などに対する)ジェノサイドで北京オリンピックをボイコットするのか?それとも、オールスターゲーム(の商機)を控えているアトランタの中小企業を傷つけようとしているだけなのか?」と質問した。同議員は「@MLBは(米国人の)恥だ」と書き込んだ。

ホワイトハウスのサキ報道官は同日の記者会見で、バイデン政権が来年の北京冬季オリンピックをボイコットする可能性があるかとの記者団の質問に、アメリカオリンピック委員会がこの決定について「重要な役割を果たすだろう」とあいまいな回答をした。

一方、マルコ・ルビオ上院議員(共和党、フロリダ州選出)も同日、ツイッター上でMLBの対応を批判した。議員は、MLBは市場拡大戦略の一環である中国国内向けの試合のストリーミング放送をめぐって、中国IT大手のテンセント(騰訊控股)との提携を強化していると非難した。議員はテンセントについて、「ジェノサイドを実行する中国共産党が後押ししている企業だ」とした。

(翻訳編集・張哲)

関連記事
米国男子アイスホッケーチームは、2月10日に中国と対戦する。しかし、よく見ると、中国の名を冠してはいるものの、欧米人を中心としたチーム構成になっていることがわかる。
北京冬季五輪開幕式が行われた2月4日、長尾敬前衆議院議員は抗議活動に参加し、人権侵害を続ける中国共産党に開催資格はないと批判した。長尾氏は参院でより強い文言の非難決議が採択されることに期待を寄せた。
北京冬季五輪が開幕する4日、チベットやウイグル、モンゴルなどの少数民族団体や人権団体の代表者らは共同声明を発表し、抗議のデモ行進を行った。2008年の北京五輪の際に中国共産党政権が人権を保障すると約束したにも関わらず反故
中国政府によるウイグル人イスラム教徒、チベット人、香港市民等への迫害・弾圧の蔓延が物議を醸す中、2022年北京冬季オリンピックの開催を迎えた。これを機に中国に圧力をかけることを国際社会に促す複数の人権団体と元国連当局者が
米調査機関ピュー・リサーチ・センターによると、バイデン政権が人権問題を理由に北京冬季五輪に外交使節団を派遣しない「外交ボイコット」を実施することについて米国人の半数が支持していることがわかった。調査は1月10日から17日