米、ナチスの強制収容所の元看守をドイツに送還

司法省は19日、テネシー州在住のフリードリヒ・カール・ベルガー(Friedrich Karl Berger)氏(95歳)をドイツ強制送還した。ベルガー氏は1945年にナチスドイツで強制収容所看守をしていた。

当局によると、ベルガー氏は1959年から米国に住んでいたという。警察当局の広報担当者はロイターに対して、ベルガー氏は20日にドイツに到着したと伝えた。

モンティ・ウィルキンソン米司法長官代理は声明で、「米国は、ナチスの人道に対する罪や他の人権侵害に関与した人々の安全な避難所ではない。ベルガー氏の送還は、司法省及び関連する法執行機関の決意を示している」と述べた。

米移民・関税執行局(ICE)局長代理のタイ・ジョンソン氏は、「我々は、他人を迫害する人たちの追跡を決して止めない。ICEと司法省は正義を追求し、どれだけ時間がかかっても、歴史上最大の残虐行為の1つに加担した人々を容赦なく追い詰める。今回の件は我々のこの断固とした決意を示している」と述べた。

2020年3月、2日間の裁判の後に移民判事はベルガー氏の国外退去を命じた

ベルガー氏は法廷で、メッペン(Meppen)近郊の収容所で看守をしたことがあり、今でもドイツから年金を受け取っていると証言した。

判事によると、強制収容された人たちは「残虐な」環境の下で苦しみ、屋外での強制労働を強いられ、「極度の疲労と死に至るまで」労働させられた。

また、英国軍とカナダ軍がドイツに進軍したために別の収容所へ移動を余儀なくされた際、ベルガー氏は強制的に行進させられた囚人たちを監視した。

ベルガー氏が「他の仕事への移動を要求したことはない」と認めたことが、判決に大きく影響した。

昨年11月、移民上訴委員会はこの判決に対する異議申し立てを却下した。

ベルガー氏は最初の判決後にワシントン・ポスト紙に対して、「75年も前の事なのに、これはばかげている。信じられない。この国でどうしてこんなことが起こるのか理解できない」と語った。

米国がこのような措置を取ったのは、ポーランドの強制労働収容所で武装看守をしていた95歳のヤキウ・パリジ(Jakiw Palij)氏をドイツに送還した2018年以来だ

当局によると、パリジ氏は米国に移民した際、自身の過去について嘘をつき、その後米市民権を獲得していた。彼は2019年1月に亡くなった。

(大紀元日本ウェブ編集部)

 

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