ジョー・バイデン米大統領(Tom Brenner/Getty Images)

バイデン大統領、ウイグル人弾圧を擁護「それぞれの国に規範」ポンペオ氏が批判

バイデン大統領は16日、ウィスコンシン州ミルウォーキーで開催されたCNNタウンホールイベントで、中国の人権弾圧政策を擁護する発言を行い、波紋を広げた。ポンペオ前国務長官は同発言について「中国共産党のプロパガンダに同調している」と批判した。

バイデン氏はイベントで、中国政府が新疆ウイグル人を弾圧していることについて意見を求められた際、「歴史上、中国が諸外国の犠牲になったのは、常に国内が統一されていなかった時だ。そのため、習近平国家主席にとって最も重要な原則は、統一され、厳しく統制された中国がなければならないことだ。彼はこの理論に基づいて物事を進めている」と述べた。

中国共産党政権が新疆ウイグル人に加えた人権侵害は非難を浴びている。新疆では、およそ百万人のウイグル人や他の少数民族が強制収容所に拘禁されている。ポンペオ前国務長官は退任直前、ウイグル人への人権侵害を大量虐殺に認定した。

バイデン大統領はさらに、「米国の価値観を反映しなければ、いかなる米国大統領も大統領としての地位を維持することはできない」と述べた。

大統領は習氏に対して、新疆ウイグル人と香港市民への弾圧、そして増加する台湾への軍事的威嚇についても反対を表明した。

彼はさらに、「文化的には、それぞれの国に異なる規範があり、その国の指導者はそれに従うことを期待されている」と付け加えた。

ポンペオ前国務長官は17日、FOXニュースのインタビューでこの発言を非難した。

「この『ただ異なる規範を持っているだけだ』という言葉は、中国のプロパガンダ路線だ。彼らはあなたにこう思ってほしいのだ。つまり、『彼らは大人しい国で、ただ少し違ったシステムを持っている。何を騒ぎ立てているんだ?』と」

「真実は何かというと、彼らは一つの民族を丸ごと抹消しようとしていることだ」と彼は付け加えた。

バイデン政権は、米国が中国共産党の様々な侵害行為に対して責任を問う用意があることを示唆しているが、中国政府は、それは中国共産党の「レッドライン」に踏み込むことになり、「越えてはならない一線」だと警告している。

今月初め、中国共産党外交担当トップの楊潔篪国務委員は、香港、チベット、新疆での「干渉」を止めるように米国に呼びかけ、これは中国の「内政問題」だと述べた。

楊氏は、「レッドラインを超えるいかなる言動も米中関係と米国自身の利益を損ねるだろう」とバイデン政権を牽制した。

トランプ前大統領も退任後初めてのインタビューでバイデン大統領の対中政策を批判した。

「長期にわたって中国と利益関係にあるバイデン一家は、中国共産党に弱みを握られている」と述べた。

関連記事
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]