モリスン首相が訪日し、菅義偉首相と会談する。日豪安全保障協定を締結する見通しだ。10月20日、メルボルンのワクチン研究所で記者会見を終えたモリスン首相(Darrian Traynor/Getty Images)

豪モリスン首相が訪日 日豪安全保障の協定締結へ 対中戦略を強化

オーストラリアのスコット・モリソン首相(Scott Morrison)は11月17日、日本を訪問し、​菅義偉首相と防衛協定を結ぶ見通しだ。​今回の合意で、インド太平洋地域における中国の影響力の高まりに対抗し、アジアにおける米国の主要同盟国2カ国が緊密な同盟関係を結ぶことになる。

​モリソン氏は17日午前に日本に到着し、2日間滞在する予定。菅政権では日本を公式訪問する初めての外国首脳となる。

両国は安全保障分野の協定を結び、両軍の共同軍事訓練の法的枠組みを構築するとみられる。

​国会承認を必要とする今回の日豪協定は6年をかけて協議を重ねてきた。1960年、日本が「日米地位協定」を締結して以来、60年ぶりに締結した初めての軍事協定となる。

​日本とオーストラリアは、南シナ海での軍事化、東シナ海の島嶼部における圧力、太平洋島嶼諸国に対する中国共産党の影響力増大など複数の懸念を共有している。

​日本戦略研究フォーラムの顧問であるグラント・ニューシャム(Grant Newsham)氏は、日豪協定は「インド太平洋地域における米国の軍事活動で、日豪はより積極的な役割を果たすのに役立つ」と述べている。

​菅首相は、東南アジアの主要同盟国との関係を強化するため、先月ベトナムとインドネシアを訪問した。​10月初旬には東京で、日本、米国、オーストラリア、インドによる安全保障戦略的枠組み「クアッド(QUAD)」外相会合が開かれた。

​オーストラリアの海軍は最近、米国とインド、日本の合同軍事演習「マラバール」に参加し、クアッド体制を強化している。

​中国共産党は、インド太平洋地域におけるクアッドは4カ国による中国包囲網であり、アジア版のNATOだと形容した。

日本は2007年の「安全保障協力に関する日豪共同宣言」以来、オーストラリアとの防衛協力の拡大を推進してきた。2013年に日本とオーストラリアは軍事物資の共有で合意し、2017年には弾薬などの軍事物資の共有も拡大した。

自衛隊はアジアで最大規模の最も近代的な軍隊の一つとなっている。ステルス戦闘機、ヘリコプター空母、潜水艦、水陸両用部隊を擁する。オーストラリアもまた、インド太平洋地域の重要な軍事大国であり、海外任務を遂行できる艦載水陸両用部隊を持つ。

(翻訳編集・佐渡道世)

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