2009年、ケンブリッジ大学のキャンパス(SHAUN CURRY/AFP/Getty Images)

「権威主義国家から学問の自由を守る」英学者団体、初のガイドラインを公開 

英国の学者らによる言論擁護団体「学問の自由と国際化ワーキンググループ(Academic Freedom and Internationalisation Working Group、AFIWG)」は、権威主義国家の脅威から学問の自由を保護するため、同国初のガイドラインをまとめた。

英国の大学の財政は、社会主義や権威主義的な専制政治および企業からの支援、留学生受け入れによる収入への依存度が増している。英国の言論はこうした国々の好む政治的思想に受動的になる傾向があり、言論の自由を保護する動きが高まっていた。

エディンバラ大学、エクセター大学、ロンドン大学ゴールドスミス、ロンドン大学キングスカレッジ、リンカーン大学、ロンドン政治経済学部、オックスフォード大学などの学者たちから構成されるAFIWGは10月12日、大学と外国とのパートナーシップの透明性と説明責任の改善を目的とした行動規範を、英国の全大学に通知した。

AFIWGによると、多くの英国の学者は、英国の学術研究が中国共産党、ロシア、サウジアラビアなどの当局者によって妨害され、脅かされていると認識している。しかし、大学運営者はこうした問題に十分な対応をしていない。

英タイムズ紙によると、監視、迫害、家族への強制といった脅威が研究に影響を及ぼしていると多数の学生や職員が報告している。

AFIWGが提出した行動規範は、プロジェクトに参加する学者が、大学と外国政府との間で締結された協力協定のすべての段階を、厳密に審査する権利を有することを求めている。現在、プロジェクトに参加している学者は、大学と外国政府との間の決定に発言権がないという。

AFIWGはまた、プロジェクトに参加している教授や学生が、言論の自由を侵害しかねない外国政府の介入について、懸念を表明し、外国政府の行動を制止するよう大学に要求する権利を持つべきだと主張した。

英メディアの報道によると、英国政府高官や学者は、大学が研究資金や権威主義国家からの留学生収入に依存している問題に注目している。これは、英国の大学の学問的自由が損なわれる原因にもなっている。

現在、英国に在籍する外国人留学生は48万5000人。英国政府は2030年までに60万人に増えると予測している。

(翻訳編集・佐渡道世)

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