ドイツ、インド太平洋地域は「外交政策の優先事項」新たな政策発表で関係強化表明
ドイツ政府は9月2日、インド太平洋地域は「外交政策の優先事項」と位置づけ、地域との関係強化を正式に表明した。地政学的な権力構造の変化がドイツに直接影響を及ぼすことなどを理由にあげている。
「ドイツ・ヨーロッパ・アジア:21世紀を共に形作る」と題された政策ガイドラインは2日に閣議決定した。ドイツが「インド太平洋地域の国際秩序の形成に積極的に貢献する」ことを目的としている。
へイコ・マース外相がこの政策に関する記者発表で、「インド太平洋地域がドイツの外交政策の優先事項である。インド太平洋という重要な地域との関係を強化し、多国間主義、気候変動の緩和、人権、ルールに基づく自由貿易、コネクティビティ、デジタル交易、特に安全保障政策の分野で協力を拡大する」としている。
また外相は、インド太平洋は「国際秩序の形が決まる場所であり、強者の法に基づくのではなく、ルールと国際協力に基づくものだ」とした。
ドイツのインド太平洋地域への参加の背景には、南シナ海への軍事拠点化、東シナ海における抑圧的な行動、インド国境周辺の紛争など、中国の拡張行動の影響とみられる。
ドイツの自動車販売は中国に依存している。2月に発表された自動車販売に関する報告によると、フォルクスワーゲンの世界販売台数のうちの4割、BMWとメルセデス・ベンツのほぼ3割を中国が占めている。
いっぽう、ドイツの政策では、中国依存から離れ経済・貿易関係の多様化を名言している。今回のインド太平洋地域の関与についての声明は、世界の人口の半数以上がインド洋及び太平洋諸国に居住しており、ここ数十年間でベトナム、中国、インド等の国が急速に成長し、この地域が世界のGDPのほぼ40%を占めていることに留意した。
(翻訳編集・佐渡道世)
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