花の国オランダ、写真家が撮った世界で最も美しい花畑
コロナウイルス流行のため、どこも外出規制が厳しい現在。そんななか、オランダ出身の風景写真家、アルバート・ドロスさんは世界で最も美しいと評されるフラワーガーデン「キューケンホフ公園」の様子を写真に収めた。この公園は、71年前に開園されて以後、コロナの影響で初めて封鎖となったため、撮影した時は完全に無人だったという。
アルバートさんは、公園から撮影許可を得て、4月27日に公園を訪問。「すごく素敵な時間を過ごしました。いつもなら人でいっぱいの公園が、誰もいない公園に変わり、いろいろな風景を撮ることができました」と自身のウェブサイトで当時の様子を振り返った。
人がいなくとも、自然たちは変わらずここで素晴らしい花を咲かせている。そして写真を見れば、公園の従業員たちがどれだけ時間をかけて、丁寧に手入れをしているのかがよくわかるだろう。
アルバートさんは今まで、壮大な風景写真を撮るために南極やキルギスタンへも足を運んだというが、最終的には自分のルーツである「花の国オランダ」を撮ることが一番自分らしいと考えたようだ。
春を迎えると、球根が芽を出し、花を咲かせる。この季節に合わせて多くの観光客がオランダを訪れるという。しかし、今年3月23日、オランダ政府が打ち出したコロナウイルス対策のため、大きな集会やイベントなどが中止され、さらにはキューケンホフ公園も封鎖された。この封鎖により、アルバートさんは一生に一度あるかないかの風景写真を撮るチャンスを握ったのだった。その後自身のウェブサイトでも明かしているが、死ぬまでに一度、無人のキューケンホフ公園を撮影してみたかったのだという。
1日限定で、キューケンホフ公園の撮影許可を得たアルバートさんは、幸運なことにその日、天気にも恵まれ、通常より暖かった気候のおかげで、撮影日には多くの花の開花を写真に収めることができたという。
実際には、強い日差しの下での、様々な色をした花を美しく撮るのは難しかったと振り返るアルバートさんだが、それよりも目の前に広がる自然の美しさに圧倒せざるを得なかったという。さらに「1人でこの公園を歩き、鳥の声を聴きながら、無数の花々の香りを嗅ぐという経験はなかなかできるものではありません」とコメントした。
キューケンホフは毎年3月から5月の短い間だけ開かれる。公園一番の見所は700万本もの球根が芽を出し、花を開花させるところだそうだ。
今年は悲劇的な年となったが、バーチャルを使うことによって、71年目を迎える「世界の色」をテーマにした作品が見られるようになった。加えて、公園の様子を紹介するビデオツアーも開始された。以下は、ドローンで撮影された風車とチューリップ畑を上空から捉えた映像だ。外出できない人々にも、オランダの春が楽しめる内容となっている。
ぜひアルバートさんの写真と併せてこちらの動画もご覧になってはいかがだろうか。