【紀元曙光】2020年6月21日
(前稿に続く)そうしたものを、「伝統」などと、ことさら言う必要もない。
▼それは添加物を加えず、自然のままに積み重ねてきた「味わい」であり、日常生活のなかの知恵でもある。見たことはないが、江戸時代から続く「ぬか床」もあるらしい。ただ、おいしい漬物から敷衍して、それを育んできた各民族の原点を想像することも、無駄な時間ではない。
▼大切に守り伝える。文化もまた、そうあるべきと思う。今、米中は最悪の関係だが、それでよい。中国共産党の呪縛のなかにいる中国人は、トランプ大統領を大悪魔のごとく見ている。まあ、トランプさんも、あまりガラの良いほうではないのだが、中共が相手なら憎まれるぐらいが丁度いい。
▼2017年11月、そのトランプさんが大統領として初めて訪中した時のこと。習近平主席の案内で北京の紫禁城(故宮)を見学したが、その時、習氏がトランプ大統領に言った言葉が、まずい。「(世界四大文明の中で)唯一、連綿と続いているのが中国文明です」。
▼2017年1月に米国の第45代大統領となったトランプ大統領は、まだ就任して日も浅く、その時は訪問する立場だったので、ほどほどに社交辞令を混ぜて習氏のご機嫌をとっていた。そんなトランプさんに習近平がついた大嘘は見抜けまいが、「連綿と続いている」とは片腹痛い。
▼確かに、中華文明五千年のうちの4929年は、たとえ王朝が替わっても継続していた。しかし、1949年からの共産党中国は、その継承者としての資格をもたないばかりか、文化大革命期を中心に、伝統文化を徹底的に破壊したではないか。(次稿に続く)
関連記事
曹植が兄・曹丕の試練に詩で答える物語。家族間の争いと深い悲しみを豆と豆殻で表現した心に響く詩。兄弟の絆と知恵に思いを馳せる一篇です。
チューインガム1枚で数百〜数千のマイクロプラスチックが唾液中に放出される──UCLAなどの最新研究が示した、意外な“日常的曝露”の実態とは。
人に悪く言われても、怒らず、謙虚に接した翟方進。
相手の敵意を消し、関係を円満にしたこの逸話は、『漢書』に記された2000年前の人間関係の知恵です。
一歩引く勇気が、道を開きます。
東京の春を切り取った18枚の静止画を通して、春の希望と喜び、そして前向きに生きる活力を感じて頂けたら幸いです。
ローゼルは抗酸化成分が豊富で、血圧・血糖・脂質を下げ、がんやアルツハイマーの予防にも効果が期待されます。美容やダイエットにも有効で、薬食同源の代表食材として注目されています。