【紀元曙光】2020年4月7日
第二次世界大戦後の1948年4月7日、全人類の健康を願って、世界保健機関(WHO)が設立される。
▼その設立日である同日を「世界保健デー」といい、健康へのさまざまな啓発が世界的に行われるのだが、今年の場合、なんとも霞のように存在感が薄い。
▼そのいきさつを述べることは、小欄としても、あまり意味を感じない。個人名は挙げないが、結論だけ言えば「あれは、役に立たない」と多くの人が思ってしまったからだ。それにしても、事態を軽視する方向に判断を誤ることは、かくも重大な災禍を招くのか。
▼ふた月ほど前だったか、7月の東京五輪開催がまだ議論の段階にあった頃には、IOCのバッハ会長も「開催については、WHOの判断に従う」というような発言もあった。その機関の名前が聞かれたのは、もはや遠い昔のことに思われる。
▼自分たちで、しっかりやる。今は、それに尽きるだろう。本日中に、緊急事態宣言が出される日本。私たちには初めての試練となるが、個人の生活を維持しながら公共の責任を最大限に果たすという、この高度な両面作戦に必ず勝利しなければならない。この戦いには大きな人道的意義がある。皆の命を、皆で守る。その理想形を、我ら日本人は世界に現出して見せようではないか。
▼士気は大いに高く、三笠の艦橋にZ旗が上がったつもりで結構だが、第一に武器とすべきは「他者への優しさ」であることを忘れてはならない。優しさは、必ず社会を良くする知恵の泉となる。9年前の大災害の中でも、日本人はそれができた。世界は、そんな日本人に驚嘆したのである。
関連記事
内なる不満を見つめ、愛を与える方法を通じて、心の癒しと新たな可能性を見出すヒントをご紹介します。
最新研究が脳損傷患者の意識の可能性を示し、医療や家族の対応に新たな光を当てます。
GoogleのAI「Gemini」が大学院生に不適切な発言をし、AI技術のリスクが改めて問題視された。企業の責任が問われる中、AIの安全性や倫理が注目されている。類似の事例も増え、技術の普及とリスクのバランスが課題となっている
健康な心血管を保つための食事、指圧、運動の実践方法を解説。心臓病予防のヒントが満載です!
専門医が語る乳がんリスクの主な要因と予防のポイントを解説。生活習慣の見直しで健康を守りましょう。