【紀元曙光】2020年3月7日

マスク、ティッシュ、トイレットペーパー、一時的にせよ店頭から消えたため空になった商品棚。しかし、それを見て、過剰な不安をつのらせてはならない。

▼日本が今、非常時であることは間違いない。ところが、見えないウイルスの恐怖を、なぜか必要もないところに可視化して、その物がなければ死ぬかのように思い詰めてしまうのは、すでに冷静さを失った証拠でもある。

▼そんな中、白血病で療養中の水泳選手・池江璃花子さんが、さわやかな春風を吹かせてくれた。中共ウイルスの感染拡大が影響して、献血協力者が減少している現状を心配し、広く献血を呼びかけるメッセージをツイッターに上げたのだ。

▼「1人でも多くの命を救えるよう、私からのお願いです」。どこでウイルス感染者に接触するか分からない昨今、街角の献血コーナーに寄る人は激減したらしい。そんな時だからこそ、池江さんの言葉は、献血への呼びかけだけでなく、私たちに大きな「気づき」を与えてくれたのではないか。

▼ウイルスに感染しない努力は、それぞれが自覚して実行すべきだろう。ただ、そればかりでなく、何が本当に必要とされているか、忘れて置き去りにしていることは何かなど、広く多角的に考えなければならないのではないか。

▼もう一つ。東京五輪への出場は見合わせるものの、その次のパリ五輪を目指している池江選手からメッセージが届くこと自体、多くの人にとって嬉しいはずだ。それは偏に、池江さんの好ましい人柄による。省みて、自身は好ましい人であるか。非常時においては、それも忘れてはならない。

関連記事
中国古典舞踊の最高峰・神韻芸術団は20日に来日。待望の2025年神韻世界巡回ツアーが23日に日本の名古屋で開幕する。
肩の柔軟性と筋力を高める6つのエクササイズを実践すれば、可動域を改善し、肩こりや日常の不快感を和らげる効果が期待できます。
白キクラゲやレンコンをはじめ、免疫力を高める10の食材を紹介。伝統医学と現代科学が推奨する抗炎症効果で、肺を潤し冬を快適に過ごす方法を提案します。
新たな研究により、男性における自閉症の発症リスク上昇には、Y染色体が関与している可能性が示されました。男性では自閉症が女性より約4倍多く見られる一因として、Y染色体が自閉症リスクを特異的に高めていることが明らかになっています。
朝食のタイミングを調整することで、2型糖尿病の血糖値管理が改善する可能性があることが新しい研究で明らかに。運動と食事のタイミングが血糖値に与える影響を探ります。