中国専門家「新型ウイルスは人類と長期共存」 ネット上で防疫失敗の指摘
中国の専門家は19日、国営中央テレビ放送(CCTV)の番組に出演し、新型コロナウイルスについて、「インフルエンザのように、長期にわたって人類と共存するだろう」と発言し、波紋を呼んだ。
19日夜、CCTVのインタビュー番組は、「新型コロナウイルスと人類の長期共存の可能性」について、中国工程院副院長で中国医学科学院院長の王辰氏に取材した。王氏は、「可能性がある」とし、3つの観点を示した。1つ目は、新型コロナウイルスによる人体への危害はSARS(重症急性呼吸器症候群)より弱い。2つ目は、新型コロナウイルスが慢性病に変化し、インフルエンザのように長期にわたって人の集団に存在する可能性がある。さらに、3つ目として同氏は、中国当局が将来この伝染病を治療する解決方法を見つけると信じると強調した。
中国人ネットユーザーは「専門家は、『(感染拡大の)制御不能』を美化し始めた。皆さん、覚悟してください。このウイルスの感染力がこれほど強く、臨床症状がこんなに恐ろしいのに、中国共産党は社会安定の維持のために、これではまるで風邪のようだと主張し始めた。(中略)これは各地で大流行する前兆かもしれない」と、ツイッターに同番組の動画を投稿し、コメントを書き込んだ。
また、一部のネットユーザーは、CCTVの報道と王辰氏の発言について「全くのデタラメ」「嘘を言わないと死んでしまうプロパガンダ宣伝チームだから(仕方がない)」と非難した。
中国国家衛生健康委員会は18日、感染状況について「防御可能で治療可能だ」と再び強調した。
新型肺炎のまん延で中国経済が大打撃を受けたため、中国当局は企業活動や生産操業の再開を急いでいる。中国国務院は17日、各地の地方政府に対して、各市区県を人口や感染状況・防疫対策に基づき、「高リスク、中リスク、低リスク」の地域に分けて、「全面的、または次第に生産・生活の秩序を回復していく」と指令した。
国家衛生健康委員会の見解とCCTVのインタビュー番組は、この方針実施のためのプロパガンダだとみられる。
(翻訳編集・張哲)