タイのバンコク捜査当局は、中国向け代理出産ビジネスを摘発した。犯罪グループは、少なくとも50人の赤ちゃんを代理出産させ、金銭取引していたという。写真は2019年安徽省で生まれた赤ちゃん。参考写真(GettyImages)

タイで中国向け代理出産ビジネス摘発 少なくとも50人の赤ちゃんを違法取引

バンコク捜査当局は、代理出産を通じて中国に赤ちゃんを販売する越境犯罪グループを摘発した。主犯の中国籍2人とタイ籍の7人を人身売買の容疑で逮捕した。中央捜査局副局長のTorsak Sukvimol氏は2月18日、記者団に語った。

捜査当局は13日、バンコク市内10カ所を一斉捜査した。犯罪グループは7人の妊婦、生後22日の赤ちゃんを発見した。逮捕した中国人は夫婦で、代理出産を依頼する女性を雇用していた。

「今回の作戦標的は越境犯罪組織で、これは人身売買に当たる」と、捜査局副局長は述べた。

捜査当局によると、数人の赤ちゃんは、新型コロナウイルスの蔓延による中国渡航制限で、タイに残されていた。この渡航制限が今回の摘発に繋がったという。

タイ当局は2015年、営利目的の代理出産を禁止している。有罪判決が下れば、ブローカーは最高5年の懲役および最高10万バーツ(約35万円)の罰金を科せられる。

捜査当局は、住宅や商業ビル、車両など3000万バーツ(約1億2300万円)相当を押収した。

捜査局副局長によると、犯罪グループは2012年からタイで活動しており、代理出産を請け負う女性側には、依頼者である中国の家族が40万~60万バーツ(約140万~ 210万円)の報酬を渡していた。

犯罪グループは、代理母になる予定の女性を、隣国ラオスの医療機関に送り、そこで受精卵を移植した。女性は妊娠期間中にタイに戻る。さらに、出産が近くなると、中国に渡り、出産する。

1月には、バンコク北部のパトゥムターニー県にある一軒の家屋に「出産のために雇われた」と答えた8人の女性と、15人の赤ちゃんが住んでいた。この事件が、今回の犯罪グループの逮捕につながった。

捜査局副局長は、少なくとも100人のタイ人女性がこの犯罪のギャンググループに雇われ、およそ50人の赤ちゃんが出国したと報告した。さらなる捜査のために、中国側の協力を期待していると述べた。

(翻訳編集・佐渡道世)

関連記事
「孔子学院?新華社?こんなものはもう退屈だろう。中国が本当に世界的なソフトパワー拡大には、モバイルゲームに焦点を当てるべきだ」中国国内メディアは最近、100億米ドル規模に達している中国ゲームの影響力の高まりに自信を見せている。当局は、ゲームコンテンツを通じて中国文化の浸透工作や、親共産主義人物の人気獲得を促進したりしている。
日本料理の「五味五色」が生む健康の秘密。陰陽五行に基づく養生観が、日本人の長寿とバランスの取れた食文化を支えています。
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。