2018年2月、新疆ウイグル自治区カシュガル(GettyImages)

中国の新疆政策を支持した54カ国、公表されず 国の数を水増しか

国連の人種差別撤廃委員会で10月29日、英国国連大使が23カ国を代表して、中国による新疆ウイグル自治区の広範な監視と拘束を批判する声明を提出した。いっぽう、中国側による少数民族への政策を支持する声明が、54カ国の支持を得て、ベラルーシ国連大使から出された。しかし、この54カ国のうち、8カ国しか名前が公開されていない。

中国国連代表の公式サイトによると、中国の新疆への政策に支持を表明したという54カ国のうち、名前が公表されたのはパキスタン、ロシア、エジプト、ボリビア、コンゴ、セルビア、ベラルーシ、そして中国の8カ国のみ。

AFP通信やロイター、AP通信など大手英字通信社も、8カ国以外の国の名前を書いていない。しかし、一様に54カ国が支持したと報じている。

国連の動きを伝える情報サイト「UN Watch」は、ベラルーシの国連事務担当局に問い合わせた。しかし、中国に問い合わせるべきだとの返答だったという。

UNWatchは、中国が、自由主義国を中心に23カ国が新疆政策を批判する声明の影響を弱めるため、54カ国の支持をでっち上げた可能性があると指摘した。

中国は7月、国際社会による新疆政策の批判に「仕返しした」。7月10日、スイスのジュネーブで開かれた国連人権理事会では、英仏独日など22カ国が、理事会議長および人権高等弁務官宛てに、中国の新疆ウイグル人への人権侵害を批判する書簡を提出した。この2日後、中国が新疆に設置した拘留施設は「分離主義」や「テロ対策」であり適切な措置だと評価する書簡が、37カ国の署名入りで双方に提出されたという。

この37カ国もすべては公開されていない。今回の人種差別撤廃委員会で中国への支持を表明した8カ国のほかに、北朝鮮やジンバブエ、シリア、ミャンマーなども署名していることが、中国官製紙の報道で分かっている。中国の宗教迫害について詳しいマッシモ・イントロビーネ氏は運営する情報サイト「ビター・ウィンター」で、多くの国は国際的な批判を恐れて、国名の非公開を申し出たのではないかと分析している。

(翻訳編集・佐渡道世)

 

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