催眠術と牢獄の70年
建国70周年、なのだという。そりゃどこの国かと、とぼけてみたくなるのは、他国のことに無関心だからではない。隣国の国民として、たとえ儀礼的にせよ慶賀すべきかも知れないが、彼の国の場合、とてもそんな気持ちにはならないからだ。その70年は、罪なき人民にとってあまりにも苛烈であった。また、その非道ぶりを隠蔽することに極めて厚顔であるという欺瞞性に、ほとほと嫌気がさす。今の中国のことである。
その元凶は何か。用語を正確に使うならば、中国といわず「中国共産党」と名指しせねばならない。これを中国というと、そこに太古から近現代までの悠久の歴史があるように、対象とするものの概念がどこまでも広がってしまう。そのため、中国を好きな人も嫌いな人も、それぞれに足を泥濘に取られて70年の本質が見えなくなるのである。
この点、私たち日本人は、努めて自律的に注意したい。中国を好きな人(さほど嫌いではない人、というべきか)は「日本も昔、中国で悪いことをした」などと、おかしな負い目の方向へ、なぜか自分から意識を転換させてしまう。中国を大嫌いな日本人は、「あいつらは、大昔からひどいのだ」と、分析的思考よりも先に、ある種の観念によって黒ペンキを塗りたくってしまう。いずれにしても、極端はよろしくない。
関連記事
紅海・イエメン情勢の緊迫化と原油高が、米中間選挙を前にしたトランプ政権の政治課題となっている。フーシ派への即時の大規模対応より、共和党の議会多数派維持こそが対イラン・中東政策の前提だと分析する
「私的なファウチ」は疑っていた。「公的なファウチ」は確信を語った。ブースター接種をめぐる私的な日記が明らかにした、科学的根拠と政府のメッセージの乖離。その記録が、なぜ今MAHAを必要とするのかを浮かび上がらせる。ピーター・ナバロ氏の寄稿
中共が国防動員法と出国禁止規定を大幅改定した。戦時には発電所、金融インフラ、データ、輸送手段など幅広い民間資産を収用でき、中国人だけでなく外国人にも影響が及ぶ恐れがある。改定の狙いとリスクを読む
友達同士なんだから、ちょっと盗み聞きしたくらい、どうってことないだろう? もし本当にそういう話だったなら、どん […]
「臓器提供による安楽死」という衝撃的な提案の背景には、移植医療のために「死の定義」を都合よく書き換えてきた歴史がある。生物学的には生きている人間からの臓器摘出という、医療倫理の暗部と欺瞞を鋭く告発する