古代中国の唐王朝時代(618年―907年)、侯莫陳 邈(こうばくちん ばく)の妻である鄭氏(ていし)は、昔の賢人に関する歴史の物語が好きでした、このような物語を読むとき、彼女はいつも大いに感慨にふけました。そこで、鄭氏は良い物語をまとめ「女孝経」を記し、後世のための道徳の手本としました。
「女孝経」は「孝経」の型式と用語を真似し、後漢の曹大家(班昭)と女官との問答を真似したものでした。そこには孝の意味や女性が守るべき礼儀などを紹介しました。
「女孝経」は十八章の内容を含み、女性の結婚から日常生活の事柄まで言及しています。例えば、女性は結婚すれば、舅と姑を自らの父母とみなして孝行すべきだと説いています。さらに良き妻として、家族がみな仲良く快適に暮らしていけるようにすべきだとも書かれています。
古代中国では、祭祀において女性が重要な役割を果たしていました。女性は祭祀の時には礼儀正しく振舞い、衣服、言葉そして行為に気を付けなければなりません。親孝行で道徳のある女性は、自ずと祭祀を上手にこなし、家族の和睦を保つことができるのです。
「女孝経」は胎教の内容をも含んでいます。例えば、妊婦は寝る時にあおむけに寝なければならず、座るときも端に座るべきではないとされています。また、片足で立つことや、味が変わっている食べ物を食べることもご法度です。さらに、変な色を見ないこと、退廃的な音楽を聞かないことも記されています。いっぽう、妊婦は夜に書物を読みます、昼には家族と礼儀や音楽の話をすれば、容姿端麗で聡明な子供が生まれてくるとされています。
「女孝経」に記されている道理は大変奥深く、非常に有用であることから世間で広く伝わり、子女の教育の模範として多くの家庭で重宝されています。
(編集・文亮)
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