北への中国人ツアー客が急増 当局、旅行禁止を解除か
北朝鮮を訪れる中国人の観光客が5月以降増えている。中国当局が、対北朝鮮観光の規制を解除したとみられる。米ラジオ・フリー・アジア(RFA)が27日報道した。
報道によると、中国人観光客の急増で、7月中旬までの中国国内から平壌行き列車の乗車券はすでに完売した。北朝鮮がより多くの中国人のツアー客が入国できるよう、有事に備えているディーゼル機関車での旅客輸送を決めたという。
RFAは、情報筋の話として、北朝鮮当局の圧力を受けて、平壌にいる中国人の投資家がディーゼルの供給に協力したと伝えた。
また、韓国紙・朝鮮日報の報道によると、中朝国境にある中国丹東市の旅行会社は26日、最近、平壌を訪れる中国人観光客の人数は毎日1000人から2000人だと話した。
一方、北朝鮮専門の米ニュースサイト「NK News」によると、この時期は旅行のオフシーズンのため、中国語のツアーガイドは、田植えなど農作業を行っていた。しかし、今年はガイド不足で、全員がツアー案内の仕事をしている。現在、英語専門のガイドも中国語レッスンを受けているという。
韓国メディアは、中国当局はすでに北朝鮮への旅行禁止を解除したとの見方を示した。航空会社の中国国際航空(エア・チャイナ)は6月6日、北京ー平壌の定期便の運航を再開した。
昨年、核・ミサイル発射実験を繰り返す北朝鮮に対する国際社会の制裁が強化された。中国当局も同年11月、中国東北地域を除く全国の住民に対して、北朝鮮への観光を禁止した。中国国際航空も定期便の運航を中止した。
一方、中国当局は、6月28日に予定された成都(四川省)-平壌と、7月に予定されている西安(陝西省)-平壌間の航空便の開通を延期した。理由は不明。
中国では、北京、上海、瀋陽の3都市から平壌を結ぶ航空便が設けられているが、便数は少ない。ツアー客のほとんどが丹東市から列車や客船で、北朝鮮に入境している。
ポンペオ米国務長官は27日、上院歳出小委員会での公聴会において、対北朝鮮制裁の履行で「中国が若干後退している」との認識を示した。
(翻訳編集・張哲)