北京郊外にある秦城監獄。(PEd Jones/AFP/Getty Images)

中国元汚職高官ら 投獄後も豪華食事、「ふかひれ」「ナマコ」も

中国では16日に旧暦新年を迎えた。この正月期間中、中国汚職高官などを収監している北京市昌平区にある秦城監獄での食事メニューに注目が集まった。習近平当局が主導した反腐敗キャンペーンで摘発された「大トラ」の食事は閣僚級の待遇に準じて、豪華に賄われているという。

香港メディア「東網」(15日付)によると、中国の伝統的な祝日になると、収監されている「大トラ」に特別な食事を提供されるが、失脚する前のポストによって食事の内容が全く違うという。

同監獄内の201、202、203、204の4つの監区がある。204監区で、中国当局最高指導部メンバーだった高官を拘禁している。ここにいる元高官には閣僚級の豪華食事を提供している。調理を担当しているのは高級ホテル、北京飯店の一流シェフだ。朝食に牛乳を提供するほか、昼食はおかず2品とスープ、食後にリンゴ1つ。時おり、高級食材のナマコやふかひれを使った料理も振る舞われる。

しかし、元高官には普段魚料理を出さない。魚の骨を飲み込むことで自殺を図るのを防ぐためだという。

旧正月期間中の特別メニューには、鶏肉や骨抜きの魚料理を出すこともある。

一方、低い階級の汚職幹部を拘禁する201監区では、毎日5つの蒸しパンとおかゆと漬物だけしか提供していない。

2012年の中国党大会以降、習近平国家主席は「虎もハエも叩く」とのスローガンを掲げて、反腐敗運動を推進してきた。この結果、失脚した副閣僚級以上の幹部の人数は400人以上となった。そのうちの大半が秦城監獄に入っている。

現在、秦城監獄には前中央政治局常務委員の周永康、重慶市前トップの薄熙来、軍制服組前トップの郭伯雄らが収監されている。

また、香港英字紙「サウスチャイナ・モーニングポスト」によると、過去、旧正月前夜の大晦日に、60歳以上の元高官らは親族数人と一緒に、監獄内の指定場所で「火鍋や餃子など」食事をとることを許された。しかし、今年は不許可となった。理由は、収監された元高官の数が多すぎて、親族と一緒に食事をとる場所がないからだという。

秦城監獄側はまた、旧暦元日の前後約2週間を囚人との面会禁止にした。

(翻訳編集・張哲)

関連記事
通学中の学生を狙った社会報復事件が絶えない中国、学校前は厳重警備。
その非人道的な所業から多くの国から停止を求められている中共の臓器狩り。中国共産党は否定しているが、今回、党内部の官僚から内部告発があった。告発者は「これはすでに産業化された仕組みだ」と述べている
10年前、中共は「中国製造2025」計画を掲げハイテク製造業強国を目指した。しかし現在、中共は知的財産権侵害や不公正競争の指摘を受けている。EVや高速鉄道で進展も、核心的な技術は不十分だ。
中国の資本市場から11月に457億ドルの資金が流出し、過去最大を記録。トランプ氏の関税政策への懸念と中国経済の不安定さが主因。中国政府の景気刺激策は市場の期待に応えられず、人民元も下落。習近平は窮地に陥っている