中国主導の経済サミット「一帯一路」が北京で5月15日、16日に開かれた。会場外(Getty Images)

一帯一路に蚕食された中南米 中国警戒論が台頭

  中国当局が主導する「一帯一路」巨大経済圏構想に、本来「一帯一路」に含まない中南米諸国を取り込もうとしている。当局は、「一帯一路」経済協力枠組みへの中南米国家の参加は「21世紀海上シルクロード上の自然延長だ」との見解を示した。中国の拡張主義に米国や中南米の専門家は警鐘を鳴らしている。

今年、中南米と中国の関係に関して最も注目されたのは、パナマが台湾と断交、そして中国大陸と国交樹立したことだ。今年6月12日、中国との国交樹立を宣言した同国フアン・カルロス・バレラ大統領は、台湾との断交は「正しい決断」で「中国当局に対して何も求めていない」と強調した。

しかし、香港メディアなどによると、実際のところ中国当局の2016年パナマへの直接投資(FDI)は2億3000万ドルを上回った。昨年末まで、中国企業が受注したパナマの建設プロジェクトの総額は13億3000万ドルだった。毎年、1000隻の中国の船舶がパナマ運河を利用していることもパナマに多くの利益をもたらした。

▶ 続きを読む
関連記事
中共が加える力が大きくなるほど、日本で生じる反作用も大きくなる。これまでのところ、中共は望みを実現できていないばかりか、逆に少なくとも6つの悪影響をもたらした
外交では、握手と署名が「決着」を意味するとは限らない。同じ合意を、一方は和平と見なし、他方は次の一手のための時間と見ることがある。トランプと習近平は、本当に「同じ取引」をしているのか
米中首脳会談は中国優勢との見方を覆し、米国の圧倒的勝利と分析。OpenAIの暴走騒動や米中AI開発競争の激化、米「AI軍」創設宣言が力関係を一変させ、中国を交渉の場へ追い込んだ舞台裏に迫る
中国共産党では第21回党大会に向けた人事が動き始めている。高級幹部の高齢化と世代の断層を背景に、1970年代生まれの幹部が中央委員会にどこまで進出するのか。習近平体制の人事と有力候補を分析
聖書の「バベルの塔」の物語を手がかりに、AI開発競争を考察。技術や資本の集中、共通基盤への依存、競争から取り残されることへの懸念など、現代のAI開発と物語に共通する構図を探る