豪小売売上高、8月は前月比-0.6% 4年半ぶり大幅減
[シドニー 5日 ロイター] – オーストラリア連邦統計局が発表した8月の小売売上高は前月比0.6%減と、予想外に減少し、2013年初め以来の大幅なマイナスとなった。
市場では0.3%の増加が予想されていた。
7月分も0.2%減に下方改定され、7─8月で合わせて0.8%減と、2カ月連続の減少としては2010年10月以来の大きさとなった。
8月は全ての州で売上高が減少。外食や日用品の落ち込みが目立った。百貨店は0.7%増加したが、同部門は7月に2.6%と大きく減少していた。
オーストラリア準備銀行(中央銀行)は、不動産投資に伴う家計債務の拡大で個人消費が圧迫されることに警戒感を示しており、8月の小売統計は中銀にとって懸念材料となる。
豪小売りセクターは、今年に入って好調な時期もあったが、賃金が伸び悩む中で家計の購買力が落ち、回復は短期的なものに終わった。
CBAのシニアエコノミスト、マイケル・ウォークマン氏は「第3・四半期の国内総生産(GDP)にとって良いニュースではない」と述べた上で、「このように売り上げが幅広く減少するというのは、非常に奇妙。このような弱さを指摘する声は当社の顧客からは聞こえてこない。人々はなお、自動車やサービスに支出している」と首をかしげた。
一方、統計局が試験的に発表しているオンライン小売売上高は6.3%増加した。ネット販売は小売売上高統計には含まれていない。
同日発表された8月の豪貿易統計では、貿易黒字が9億8900万豪ドルに拡大。黒字は市場予想の8億7500万豪ドルを上回った。
小売売上高の不振を裏づけるかのように、消費財の輸入は4%減少した。全体の輸出は、鉄鉱石輸出の急増を背景に0.5%増加した。
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