8月、中華人民共和国広西チワン族自治区柳州市で、ドラゴンフルーツを収穫する農家(STR/AFP/Getty Images)
食の安全

中国食品偽造問題にブロックチェーン 先端技術でも防げない不正

「中国の食品業界で詐欺は蔓延しており、想像しうるケースは何でもあると言っていい」。さまざまな国の小売業と食品製造を調査する米企業インスカテック(Inscatech)のCEOミッチェル・ワインバーグ氏は最近、英インディペンデント紙の取材に、中国の食品調査について答えた。

世界最大規模の生産国であり、消費国である中国。同時に、食品産業で偽造と詐欺が蔓延している国でもあり、食の安全保障に関心の高い国でもある。中国で食のビジネスに関わる企業は最近、食の安全と信頼を得るため、製品情報を追跡できるブロックチェーン技術を利用している。

しかし、専門家は根深い偽造問題へは対処法に過ぎず、根本的な解決方法ではないと指摘する。

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 ダンボール入り肉まんや毒粉ミルクなど、中国産食品の安全性が問題になって久しい。その背景には食品生産者の「儲けるためなら消費者に健康被害が出ようがかまわない」という、中国で横行する拝金主義にある。