肉まん爆弾、眉間で照準スナイパー…ちんぷんかんぷんな反日ドラマ
中国共産党が企画する抗日(反日)ドラマ。脚本の陳腐さや歴史のねつ造があからさまになるため、中国国民まで反感を持つようになっている。辻褄の合わない描写は、ネットでたちまち炎上のネタとなる。
反日ドラマは、1930年代後半の日中戦争をテーマにした中国共産党政権によるプロパガンダ番組で、頻繁に国営メディアが放送している。意図的に日本に対するマイナス感情を作り出し、仮想敵を作り出すことで、国内の党への求心力を高める狙いがある。
「オレの肉まんはただの肉まんではない!」
ある抗日ドラマの1シーン。主人公は爆発物を作る職人で、共産党軍(八路軍)の幹部に自らの作品を披露する場面だ。手にしたものはなんと、肉まん。それを一口、また一口と食べつつ、解説する。「俺の肉まんは、ただの肉まんじゃないぞ!」。そして、食べかけの肉まんを地面に投げつける。
すると食べかけの肉まんは閃光と共に激しく爆発し、皆が仰天する。他にも「キュウリ爆弾」や「カボチャ爆弾」もあるというのだから、きっと遺伝子操作でもしたに違いない。
実際、食べられる爆弾なんてものは危なくて食べられない。それを食するのは、「皮ベルトを食べて行軍し」「歯ブラシの柄が折れるまで使う」忠実な共産党員だけだろう。
眉間で照準 特殊能力を持ったスナイパー
こちらのシーン、一見するとかっこいいスナイパーに見えるが、どこかおかしい。彼は超能力者なのか、眉間で照準を合わせているようだ。ミリタリーを少し知る人ならわかる。この目の位置ではまともにスコープを覗けないし、目標に命中させることなど不可能だ。彼が超能力者でなければの話だが。
150kgの爆薬を背負う共産党兵士
1930年代後半、日中戦争時の中国では産業が衰退し、農業生産力も著しく低下していた。そのような時代で兵士しとなる屈強な男子を育てるのは、たいへんな困難だったはず。たとえ一流のウェイトリフティング選手でも、150kgの爆薬を背負って部隊についていくのは無理がある。感情で理性を代替する思想教育が垣間見える。
400km先の目標を狙う凄腕スナイパー
「800里の距離から日本の機関銃兵を一撃で射殺した」と言っているが、1里は中国で500メートルに相当するから、800里だと400kmという計算になる。これは言い間違いなのか、それとも事実誤認なのか。昨今世間を騒がせている金正恩の砲兵隊でも50km先のソウルを攻撃するのに精いっぱいだ。400km離れたところに日本兵を倒せるのはミサイルくらいだろう。
9歳のおじいちゃん
「私のおじいちゃんは9歳の時に日本兵によって惨殺されたの」。ヒロインが恋人に抱き着き、泣いて日本兵の残酷さを訴えている。辻褄の合わない年齢計算に「思わず噴き出した」と多くのネットユーザがコメントしている。祖父が9歳で絶命しているなら、子であるヒロインの父親を生んだ当時は、9歳未満ということになる。
(文亮)