陸上5000メートル、励まし合う女子選手 世界が感動
現地時間8月16日午前に行われたリオデジャネイロ五輪の陸上女子5000メートル予選では、走行中に転倒したアメリカ選手とニュージーランド選手が、ゴールに向けて励まし合う様子が「真の五輪精神」と世界中の人々に感動を与えた。
米紙「USAトゥデー」(16日付)によると、米国のアビー・ダゴスディノ選手とニュージーランドのニッキー・ハンブリン選手は予選が始まる前まで、互いに面識がなく、言葉を交わすこともなかった。
当日陸上女子5000メートル予選が進行し、ゴールまであと残す4周半のところでハプンニングが起きた。足を取られてハンブリン選手が先に転倒した。その後に続くダゴスディノ選手も巻き込まれて転倒した。
「なぜ転倒したのかとトラックに横たわりながら私は悔しくてたまらなかったそのとき、突然誰かが私の肩を叩いた」とハンブリン選手は話した。後ろを振り向いてみるとダゴスディノ選手だった。彼女は続けて私に、「起きて!一緒にゴールまで走ろう。これは五輪試合だよ」と声をかけてくれた。
ダゴスディノ選手に抱き起された後、2人は再び走り出した。しかし、今度はダゴスディノ選手が先の転倒で膝にけがしたため、走り出した後あまりの痛さでトラックに座り込んでしまった。
それに気づいたハンブリン選手は座り込むダゴスディノ選手の元に走ってきて、「ゴールまで走り切ろう」と励まし、手を貸した。ダゴスディノ選手のペースに合わせて走り、2人で少しずつゴールに向けて前に進んだ。
けがの痛みを耐えながら最下位のタイムでゴールインしたダゴスディノ選手と、先にゴールインして待っていたハンブリン選手は泣きながら抱き合った。ダゴスディノ選手は車いすで会場をあとにした。
2人のタイムはよくなかったが、しかし2人の励まし合い、助け合う姿を称えるため、大会側は2人に対して救済措置を行い、19日(日本時間20日)の決勝出場を認めた。
ハンブリン選手は「アビーに感謝している。彼女こそオリンピック精神そのものだ。私にとって永遠に忘れられないことになった」とコメントした。
米国内メディアによると、膝にけがしたダゴスディノ選手は決勝出場を辞退した。ハンブリン選手は19日の決勝に出場するという。
(翻訳編集・張哲)