人工的な光による明るい夜空「光害」 世界人口3分の1に影響
世界全体の80%以上の人口が、人の健康や自然界の生態系へ影響を与える「光害」を受けており、世界の約3分の1の人口が「天の川」を肉眼で見られなくなっていることが欧米の研究チームの分析で分かった。
人工的な光により、夜空が明るめになる光害は、天体観測に影響を与えるばかりでなく、人間の睡眠や夜行性動物の生息、昆虫や植物など生態系への影響も報告されている。
米科学誌サイエンス・アドバンシズに掲載された論文によると、天の川が見られない人口は世界全体の3分の1で、アメリカやヨーロッパ、アジア等の先進国の割合が高い。下の地図からも分かるように、世界全体の83%の人口、そしてアメリカ・ヨーロッパの99%の人口は、自然のままの夜空よりも10%明るい夜空を見ている。
一方、アフリカ諸国では6~8割の地域で天の川が見られる夜空だった。
ドイツ地球科学研究センターのChristopher Kyba博士によると、光害の原因となる光は、街灯や広告看板、家庭、会社など様々なところから出されている。世界全体の14%の人口は夜間用の視覚を使用しておらず、アメリカに至っては、37%の人口が夜間でも昼間用の彩色視覚を使用している事が分かった。
(翻訳編集・山本アキ)
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