対米直接投資、過去最高 海外買収急増

世界最大のシンクタンク、経済協力開発機構(OECD)が10月末に発表した報告書によると、今年上半期で、他国による米国への直接投資額が過去最高の2000億ドル(約24.5兆円)に達した。外国企業による米国企業の事業買収が急増していることが要因の一つだという。

報告書によると、860億ドル(約10.5兆円)は化学企業、800億ドル(約9.8兆円)は製造企業である。

米国の法人税率は約35%で、日本と並んで先進国のなかで最も高い。多くの米企業が外国企業と合併後、節税対策として本社をより税率の低い相手国へ移転する。

報告書は、2014年に米医療機器大手メドトロニックが480億(約5.9兆円)ドルで、アイルランドのヘルスケア製品大手コヴィディエンを買収した事例を編入した。合併後、本社は法人税率は約米国の3分の1であるアイルランドに移転した。

米製薬大手ファイザーがこのほど、アイルランドの同業アラガンとの総額1600億ドル(19.6兆円)規模となる合併を発表した。これにより、ファイザーは本社をニューヨークからアイルランドへ移す計画だ。年間の税負担が数十億ドル軽減されるとみられる。

(翻訳・桜井信一、編集・叶子)

関連記事
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]